第45話 sideカエサル 抵抗㉓
作戦前最終の打ち合わせを終えてカエサルは帝都防衛隊の隊員が集まっているテントに向かう。
カエサルがテントの中にはいると中にいた隊員が一様にこちらに敬礼をする。
「俺たちの出番が決まったぞ!戦車に随伴して敵を切り裂く役目だ」
「本当ですか!それは私たちにふさわしい役目に間違いありませんよ!」
「あぁ、反逆者を打ち取る戦いの先鋒なんて名誉でしかない」
「腕が鳴りますね!」
「どうせ奴らは一侯爵家が集めただけの有象無象だ。簡単に終わらせるぞ!」
簡単にテントで隊員たちを激励してからすぐに第6師団から作戦を開始する旨の連絡が送られてくる。
「作戦が始まるそうだ!俺たちも動くぞ!」
カエサル達帝都防衛隊はそれぞれ各自で持ってきていたごてごての装飾が施された銃を持つとテントから緊張感なくしゃべりながら出る。
カエサル達はそのまま前線近くにある拠点に向かいそこで作戦が開始するまでそこに待機する。
その時前線がある方向から多くの銃声が聞こえ始めた。おそらく戦闘が始まったのだろう。
近くで仲間がどんどんと撃ち殺されていっているのに帝都防衛隊のメンバーは緊張感もなくそのまましゃべっている。彼らが戦場に出たことがないので実際にそこで仲間が死んでいるという感覚がないことを考えれば仕方のないことではあるが、そんなことは戦場での言い訳にならない。
そして銃声がし始めてから少しすると例の部隊が敵の防衛線を突破したという情報が流れてくる。
「よし、前線に出るぞ!」
カエサルがそう言うと帝都防衛隊の面々からは歓声が上がる。そして意気揚々とテントを出るとそのまま戦場へと向かっていく。
彼らが森から戦闘があったであろう場所に向かうとそこには多くの仲間が血を流して倒れていた。中にはまだかろうじて生きているのか呻きながら小さく動くものや体の一部が欠損してしまい原形をとどめることができていないものまであった。
「なっ、、、」
戦場の現実を始めてみた彼らはそれを見ると言葉を失う。中にはその光景に耐えられずその場に吐いてしまうものまでいた。
「、、、うっ、、うろたえるな!進むぞ!」
しかし、腐っても帝都防衛隊の隊長カエサル。呆気にとられてしまったがいち早くそれから戻り仲間たちを鼓舞する。
カエサルの鼓舞によって正気に戻った仲間たちはそのまま前線であった塹壕に入り込む。もちろんそこにも敵味方の死体が死屍累々となっており、それに吐き気を催す隊員もいたが気にしない。
カエサルはそのまま誘い込まれていることも知らずに死地へと足を踏み入れた。
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