第42話 抵抗㉑
「敵空母、新たに航空機を発艦させました!」
「対空戦闘用意!主砲の装填ができ次第反撃するぞ!準備しておけ」
新たに敵艦から発艦した敵航空機はまっすぐにこちらの艦隊へと向かってくる。それも相当の高度でだ。
「敵航空機は爆撃機です!」
「とにかく対空砲を撃ちまくれ!」
相当高いところにいる敵爆撃機に向けて俺たちの艦隊から対空砲撃が浴びせられる。しかし、高度があることもあってあまり命中率はよくないようだ。本当ならここで味方空母にいる戦闘機に協力を仰ぎたいが今味方空母はほかの海域を援護するのに精いっぱいだろう。
「敵機直上!」
「撃ち落とせ!それと前に進んで敵の狙いをずらすぞ!」
敵機が近づいたことでさらに激しい砲撃が敵爆撃機へと浴びせられる。俺たちめがけて一気に急降下してくる敵爆撃機は次々に撃ち落とされていく。そして爆弾を落とすギリギリの高度でようやく最後の一機を撃ち落とすことができた。
「敵機、全機落としました!」
「主砲の準備はどうなっている?」
「全砲塔、標準合わせ終わりました!」
「撃てっ!」
号令に合わせて放たれた砲弾はまるで敵空母に吸い寄せられるかのように飛んでいく。先ほどのずれを修正した砲弾はそのままばらけることなく敵空母まで届くと飛行甲板に直撃する。
「命中!敵空母一隻の飛行甲板に命中です!」
「損傷はどのぐらいだ!?」
「おそらく飛行甲板はもう使えません。砲塔に関してはここからではわからないです」
「わかった。とりあえず今の空母は放置するぞ。もう一隻の空母を叩く!」
「っ!敵機、発艦しました!」
一隻の空母の飛行甲板を使用不可能にしたことに喜ぶ暇もなく、隣の空母から新たに敵機の編隊が飛び立つ。
「雷撃機です!」
「艦隊を一回散開させろ!密集していると流れ弾が当たりかねない!」
雷撃機が低い高度を維持したままこちらへと飛んでくる。それに向かって対空砲が放たれるが高度が低いこともあってなかなか撃ちずらい。
そのままろくに敵雷撃機を仕留めることができない間にも雷撃機は高速でこちらへと近づく。
そのまま雷撃機は魚雷を海面に落とすと一気に高度を上げて去っていく。周辺にいた巡洋艦や駆逐艦がそれを逃がすまいと対空砲を浴びせるがあまり成果を上げられない。
そうやって対空戦闘が起きている間にも魚雷はこの艦へと忍び寄ってくる。
「魚雷の進路から外れるぞ!全速前進だ!」
俺たちは一気に速力を上げてどうにか魚雷が来るであろう場所から外れようとする。間に合うかどうかギリギリなところだ。もし当たってしまったら今度こそ沈没する。
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