第41話 抵抗⑳
もちろん近づいてきた敵機をそのまま返すほど俺たちも甘くない。ロケット弾を放ち終わって母艦に帰還しようとしたところを後ろから対空砲で撃墜する。
しかし、すでにロケット弾は放たれてしまったいる。狙われた巡洋艦はどうすることもできずそのまま多数のロケット弾を食らう。
多数のロケット弾が直撃した巡洋艦は艦橋構造物が真ん中から真っ二つに折れてしまう。ただ艦が沈没するような致命的な攻撃は受けていないようで沈むような気配はない。
とはいえ、艦橋構造物には指令室など重要な区画も多い。おそらくだがあれでは艦長を含めた指揮官の生存は絶望的だろう。
「敵機、とりあえずはいなくなりました」
「救助のために軽巡を近くに向かわせておけ。俺たちは敵空母を狙うぞ」
敵までの距離は相当離れているが一応撃てない距離ではない。
「1番、2番砲塔の標準を合わせておけ」
「すでに合わせています」
「わかった。放て!」
主砲から放たれた砲弾はまっすぐに敵空母に進んでいく。
様に見えたが距離もあってかだんだんと弾が分散していってしまい結局敵空母には至近弾がかすめたのみだった。
俺たちが撃った砲弾が敵をかすめた直後敵空母から白い煙が上がる。
「っ、、!敵空母から砲撃です!」
「なっ、、回避だ!スクリューを逆に回して距離を取るぞ!」
基本的にというかほとんどの空母には敵艦をこの距離で砲撃できるような砲はついていないことが多い。というのも空母というのは基本的に巡洋艦や駆逐艦と艦隊を組んで行動をするので、砲というのが必要になることはない。そもそも大きな砲を着けることができるようなスペースもない。
それなのに敵空母はこちらに向けて砲撃をしてきたのだ。ありえないとしか言えない。
距離が離れていることもあって俺たちには直撃することはなかったが近くにいた駆逐艦に一発の砲弾が直撃してそのまま爆散する。
「味方駆逐艦、被弾!撃沈されました!」
「一撃でこの距離で駆逐艦を撃沈しただと!?本当にあの空母から砲撃されたのか?」
「はい。あの空母以外に周辺に敵艦はいません。間違いなくあの砲撃は敵空母からです」
「、、、沈んだ駆逐艦の装甲はどのぐらいだ?」
「確か艦前方に15㎜で他は18㎜です」
15ミリの装甲というと決して強固なものではない。何なら相当薄いといっても過言ではない。とはいえあの距離で放たれた砲弾が一撃で爆散させたとなるとそれは脅威だ。少なくとも152㎜以上ある主砲を持っている。空母にしては過剰と言わざるを得ない。
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