第40話 抵抗⑲
突然の雷撃機による十字砲火によってクラウンノーチは窮地に落とされる。今の状況で魚雷の直撃を受ければどこに当たろうと不発でなければ沈没することになる。
必死に魚雷と魚雷の隙間に船体を通そうとするが巨体で、さらにあまり操舵性がよくない戦艦ではそれは不可能だ。そのままどうすることもできず死刑の執行を待つことになってしまったクラウンノーチに無慈悲にも一発の魚雷が直撃する。
大きな水しぶきを上げながら艦の側面に1発の魚雷が直撃すると続けざまにいくつもの魚雷が大きな水しぶきを上げて直撃する。
「敵クラウンノーチ、、、撃沈です」
「そのまま押し込むぞ。戦艦を失ったことで敵は慌てているはずだ」
俺たちは多くの魚雷の直撃を受けてすごいスピードで沈んでいく戦艦を傍目に見ながらさらに奥地へと進んでいく。
周囲にいた敵艦は主力である戦艦が沈んだことで動揺したのか慌てて後退していく。これでさらに俺たちが戦闘をしている海域では敵を押し込むことになる。
そのまま進んでいくと地平線に空母が2隻展開しているのが見える。ただその空母はどこかいびつで完成された空母のようには見えなかった。
「敵空母捕捉!」
「艦級は?」
「不明です!」
「この距離を保ったまま攻撃をするぞ!1番、2番砲塔は敵空母に標準を合わせろ!」
俺たちが標準を合わせるために砲塔を回転させていると敵空母からいくつかの編隊が飛び立つのが見えた。
「敵機が来ます!」
「種類は?」
「おそらくロケット弾搭載機かと」
「少し後ろに下がって巡洋艦と合流するぞ!対空砲は準備しておけ!」
俺たちはいったん下がって後方にいた巡洋艦と合流することで、対空防御を上げる。今の俺たちは手負いの状態なのでロケット弾を数発くらうとそのまま沈む可能性がある。ここは生存重視で行かなくてはならない。
「敵機、射程範囲に入りました!」
「準備ができた対空砲から放て!」
こちらの対空砲の射程に入った敵機に対して激しい対空攻撃が俺たちと周辺の巡洋艦から浴びせられる。
圧倒的な弾幕にさらされてしまったロケット弾搭載機の編隊はそのまま簡単に全機が海へと落ちていくことになった。
しかし、敵が放ったのはそれだけではない。同時に空母から発艦したほかの編隊が俺たちに向かってロケット弾を撃とうとどんどん近づいてくる。ある程度の数は近づいてくるまでに弾幕によって落ちていくがそれでも全部を撃ち落とせるわけではない。
そのまま近づいてきたロケット弾搭載機は近くにいた巡洋艦に向けてロケット弾を放つとそのまま離脱しようとする。
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