第37話 抵抗⑯

修理をしている間俺は味方艦がどのような状況になっているのかを確認していく。


「空母の艦載機の数はどうなっている?」


「現在展開している2隻の空母の艦載機はどちらも少ない数が撃墜されましたがまだ戦闘の継続は余裕があるとのことです」


「わかった。艦載機にはできる限り損傷がある敵艦を狙うように伝えてくれ。特に対空砲が生きていない艦があったら特に優先的に頼む」


「了解です」


「逆に敵の空母の状況はどうなっている?」


「正確な情報はわかりませんが、まだ艦載機の数には余裕があるようです。展開している場所も相当奥にいるようなので空母を直接私たちが攻撃するというのは難しいと思います」


「わかった。まぁ想定内だ。というか敵の艦隊がどこ所属なのかはわかっているのか?まだ旗艦を見ていないと思うが」


「どうやら私たちとは反対側にバラクーダがいるようです」


「となると敵は第1遊撃艦隊か」


「そうなります。ただ第1遊撃艦隊の主力である打撃軍は出ていないようです。現在確認されている戦艦はクラウンノーチとバラクーダの2隻だけです」


バラクーダというのはアンバージャック級戦艦の後継艦であるクラウンノーチ型と双璧をなす帝国の最新鋭戦艦だ。クラウンノーチ級はバランス型の能力をしているがバラクーダ級は攻撃に能力が偏っているような艦だ。俺としてはあまり好きではないし、司令官とても使いにくい艦ではあるがロマンはある。


きちんと護衛をつけて前線で戦うことができれば敵の戦艦に撃ち負けることはないだろう。


「となると戦艦の数で言ったらこちらのほうが有利ではあるな。質の差はあるが、、、」


「それと敵空母は初めに確認された3隻に加えてもう2隻あるようです」


「艦級は?」


「それが不明です」


「不明だと?」


「はい。現在帝国で使われている空母のどれにも当てはまりませんでした」


「となると外国の空母か?」


「いえ、その可能性も考えて周辺国に配備されている空母とも照らし合わせてみましたが一致するものはありませんでした」


「そうなると、、、新型艦か?」


「そうなります。ただ司令官が軍から離れてまだ1か月もたっていません。そこから新型の空母を作り上げるのは少々無理があるので何かしらのからくりがあるのでないかと」


「なるほどな。ただ不気味な存在ではあるな。その艦の監視を強めておいてくれ。艦載機が何かわかれば何なのかわかるはずだ」


「了解です。それと第2遊撃艦隊がそろそろ目的の海域に到着するとのことです」


「わかった。そちらの作戦も進めておいてくれ」

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