第35話 抵抗⑭
駆逐艦から放たれた魚雷はそのまままっすぐに敵艦隊へと進んでいく。いくつかの感の良い艦はそれを感じ取りそれをすぐに察してその場から離れていくが、戦艦などの重い艦はそんな簡単に進行方向を変えることはできない。
そのまま魚雷はまっすぐに進んでいき敵の巡洋艦2隻に直撃する。どうやら敵戦艦の壁になるようにして巡洋艦が前に出てきたみたいだ。それのせいで敵戦艦にはダメージを与えることができなかった。
「魚雷命中!敵重巡洋艦2隻撃沈です!」
「敵戦艦の動きは!?」
「砲塔を回転させてます!これは、、、こちらに標準があってます!」
「面舵いっぱい!回避行動だ」
しかし、俺たちが回避行動をとろうとした瞬間敵の戦艦から砲弾が放たれる。俺たちは必死に回避しようとするがこの距離で放たれた砲弾をよけることはできない。
「衝撃に備えろ!」
俺がそう言った瞬間に艦後方から大きな衝撃が発生する。
「どうなった!」
「艦後方に被弾!火災が起きています!」
「3番砲塔破損!」
「消火急げ!1番、2番砲塔は敵に標準を合わせておけ!完了したら装填完了次第敵戦艦に放つぞ!」
その間にもだんだんと艦内に煙が充満してくる。どうやら火災は一か所ではなく複数個所で起きているようだ。このままでは煙によって艦内で一酸化炭素中毒が発生する可能性がある。
「火災の状況はどうなってる!?」
「火災の規模が大きく、消火間に合いません!」
「っ、、、防水壁を下せ!」
「まだ中に船員が複数人います!」
「今から3分後に火災が発生している管区の防水壁を下す!おろし終わったら数時間の間はそれを放置するぞ!」
「了解です」
艦内にそのアナウンスが流れると多くの隊員が慌てたように動き始める。この艦橋に作られている指令室は比較的火災現場からは離れているので、こちらに誘導するために多くの職員が動いているのだ。
そしてそうやって避難が行われている最中1番、2番砲塔から砲弾が放たれる。俺たちが敵の砲弾をよけることができなかったように敵も俺たちの砲弾をよけることができない。
そのまままっすぐに進んでいった俺たちの砲弾は敵艦の前方に直撃する。クラウンノーチの分厚い装甲を突き破った砲弾は艦前方を大きく大破させる。しかし、敵も戦艦だ。一撃でやられるような真似はしない。
とはいえ敵も戦闘を継続することに不安が残る状態ではある。俺たちの砲弾が当たってから少しすると敵艦隊は引いていった。
俺たちもそれを見てから後方に下がる。
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