第25話 抵抗④ side第8機械化歩兵師団
俺は仲間とともに相棒であるHU-7戦車に乗り込む。俺たち第8機械化歩兵師団は機械化歩兵師団という命名だが、実際には戦車部隊が中心となっている戦車師団だ。
随伴歩兵のための歩兵戦闘車も所属しているためそういう名前になっているが、完全に名前詐欺なのは間違いない。
ともかく俺はいつもの砲手席に座り、正常に動くかどうかのテストを行う。
「エリック、動きに問題はないか?」
「えぇ、いつも通りですよ。車長、出撃はいつですか?」
「おそらくもうすぐだ。敵には少ないながらも戦車とか歩兵戦闘車もあると思われる。気をつけろよ」
「もちろんですよ。今回も乗り切って見せます」
「頼もしいな。ほかのところも異常はないな?」
車長の問いかけに操縦手であるロード、通信手であるパトリックも元気に答える。
その時車内につけてある通信機から司令部からの出撃命令が流れ始める。
「よし、それじゃ行くぞ」
車長の号令に合わせてロードが戦車のエンジンを入れて進み始める。俺たちは今回戦車部隊の中でも一番先頭に配置されている。もちろん被弾はしやすいがその分撃破数も稼ぎやすい。
「敵歩兵部隊と味方おとり部隊が戦闘に入った。俺たちはその後ろに布陣していると思われる敵主力歩兵部隊、および敵戦車部隊を叩きに行くぞ」
「「「了解」」」
ロードは目標に合わせて戦車の軌道を変えながら進んでいく。
少し進んでいくと敵歩兵部隊と接敵した。
「対歩兵戦闘だ。パトリックは機関銃で敵を迎え撃て!エリックは歩兵戦闘車が出てこないか警戒をしろ」
俺は外を見るための潜望鏡を見ながら敵の戦車を破壊しうる戦力が出てこないか警戒する。
その間にもパトリックが銃座に座って機関銃を敵に撃ち込んでいる音が聞こえてくる。基本的には歩兵に戦車が破壊されることはない。もちろん敵は持っているライフルで抵抗してくるがそんなものは効かない。機関銃の音とともに敵が倒れていくのが見える。
少しすると敵は勝てないと思ったのか撤退を始めた。俺の経験ではこうやって敵が撤退した後というのは敵の戦車なんかが出てきやすい傾向にある。
俺は潜望鏡をのぞき込んで今までより一層警戒して周囲を索敵する。その時前方の森林から木をなぎ倒しながら歩兵戦闘車が出てくる。俺はすぐに敵に標準を合わせて砲弾を叩き込む。比較的近距離からさらに正面から叩き込んだことで歩兵戦闘車の前方が押しつぶされる形で敵の歩兵戦闘車は止まる。しかし、まだ完全に撃破できたわけではない。続々と歩兵戦闘車に乗り込んでいた歩兵が外に飛び出てくる。
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