第24話 抵抗③ side第3歩兵師団麾下第8小隊員

司令部からの号令に合わせて俺たちは罠へと誘い込まれた敵部隊への攻撃を始める。今まで隠れていた茂みから飛び出るとそのまま目の前に掘ってあった塹壕に飛び込む。敵はすでに完全に包囲されてしまっている。


とはいえ、敵は俺たちが掘っておいた塹壕に入ってしまっている。負けることはないだろうが前線にいる俺たちに被害が出てしまうことは全然あり得るだろう。


俺たち小隊はそのまま慎重に塹壕の中を進んでいく。そして曲がり角に差し掛かった時、一番先頭を歩いていた同じ小隊の隊員が銃声とともに倒れる。


近くにいた隊員が急いで倒れた隊員の肩に手を通し引きずって後方に送る。


そうしている間にもほかの隊員が通路に顔だけ出して敵を迎え撃つ。数発の銃弾の応酬により敵が倒れる。


そして倒れた隊員に代わるように俺は部隊の一番前に進む。


進んでいく道中では多くのおとりとなった大隊の隊員と敵部隊の隊員の死体が落ちている。


そんな死体を踏まないようにしながら進んでいくと少し開けた場所に出た。おそらく前線に作られた治療所のあとだろうが爆発の影響によって地面がえぐれたり、壁が崩れたりしておりもう何があったのかわからなくなってしまっている。


地面にはバラバラになり、敵味方の判別もできない兵士の体の一部が落ちており、激しい戦いが行われたことがわかる。


そんな敵味方すらわからなくなってしまった隊員に敬意を表しながらさらに先に進んでいく。


そしていくらか進んだところで敵部隊と接敵する。しかし、まだこちらに気づいていないようで敵は戦闘態勢になっていない。俺は肩にかけてあったTU-15を構えると部隊長であろう人物の頭に標準を合わせる。


後ろから合流してきた仲間がほかの敵に標準を合わせることができたことを確認してからトリガーを引く。


仲間と同時に引いたトリガーから放たれた弾丸はそこにいた敵部隊の全員の頭を同時貫く。近づいてきちんと死んだことを確認してから俺たちはさらに先に進んでいく。


どうやら俺たちはほかの部隊に比べて進んでいるようでちょうど前線の裏側に陣取れているようだ。それからもこちらのほうに意識を向けていない敵に何回か接敵をして、すべてを着実に仕留めていく。


そのままどんどん前線から離れた敵地の奥に進んでいく。


ある角を曲がった瞬間に敵が突然現れる。俺は咄嗟に腰のホルダーにつけていた拳銃を抜くと敵がこちらを撃つ前に頭に風穴を開ける。


そいつを倒したことに安どしてしまったからだろうか。その後ろにいたもう一人の敵の姿の気づけなかった。


銃声がしたと思ったその瞬間に視界が暗転していく。後ろから聞こえてくる仲間の声を聴きながら俺は意識を失った。

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