第8話
ミナの家のお客さんを泊める用の部屋が私の部屋になった。
窓際にベッドがあるだけで他は何も無い部屋だ。
寝るだけの部屋だ。
セカイ・ヤマダの家もミナと同じ一軒家なのだろうか。
ベッドに横になると、考えないようにしていたことが次々と頭に浮かんでくる。
――推しは死んだけど漫画の続きどうなったんだろ
――いつ死んでも良いように遺書書いておけば良かったな
――私の訃報はどこまで伝えられるのだろうか
私は生きているが死んでいるのだ。
セカイ・ヤマダとして生きているが山田世界は死んだのだ。
本物のセカイ・ヤマダの意識はどこへ行ったのだろうか。
実は私自信、本当にセカイ・ヤマダで山田世界自体が夢の記憶なのではないかとさえ思えてくる。
なぜなら自分のこの世界での適応能力が高いのだ。
前から知っているかのように、それはセカイ・ヤマダの潜在的記憶からなのうだろうか。
私は転生をしてしまっているから、魔王を倒したところで元の山田世界になるわけではない。
死ぬまでセカイ・ヤマダになったのだ。
心機一転してハンドルネーム変えたらシステム改変で変えられなくなってしまったみたいなものだろうか。
しかし、ミナたちから信頼を受けているセカイ・ヤマダとはどのような人物だったのだろうか。
顔は山田世界と同じで身体が筋肉で引き締まり、私が腹筋ローラーを毎日しても身につかなかったバキバキの腹筋である。
今回はコドモドラゴンだったが次からはさらに上のモンスターと戦い、魔王にも挑んでいくのだ。
きっと物凄く痛いだろう。
「セカイ・ヤマダは強いけど最強チート能力なるものは無いのかな?」
明日ミナに聞いてみよう。
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