第7話

 バトルが終わったら夜になってた。

 みんなで人暮らしにしては広いミナの一軒家へ行き、退院祝いパーティをした。

  リビングのテーブルに帰りに買った食べ物を並べて、クラッカー鳴らして、オードブルと寿司のセットとお菓子でザ・パーティ。

  高校の新入生歓迎会を思い出す雰囲気のパーティだった。

  ざっくりとパーティが終わって、ラオたちが帰り、私はそのままミナの家に居候することになった。

「パーティ楽しかったわね」

「うん。なんだか懐かしかったよ」

「そうね。魔王戦前もみんなでお寿司食べたなー」

 もう世界観に突っ込むのをやめよう。

「今度の魔王戦もお寿司食べる?」

「そうねー。今度はピザが良いかな? で、勝ったお祝いにお寿司!」

「あはは! 良いね!」

 部活だ。ノリが部活の大会だ。

 でも深刻過ぎない方が良いな。

 30歳超えてからかシリアスな話の映画とか漫画しんどくなるし。

 このくらいのテンションのが良い。

「今度こそ勝たないと世界はもうお終いだから……今度こそ勝とうね……」

 世界の命運背負ってたのか。

 当たり前か魔王倒しに行ってるもん。

 現実に馴染みの無い単語だったから自分が世界規模の戦いしてる人間であることの自覚がなかった。

「ミナ、この世界? 国?て名前なんていうの?」

「世界は世界だよ? 国も国だよ?」

「え、ええ……ああ、そう……」

 まあ良いか……。

「ミナ、みんなでこの世界を守ろう……」

「セカイ……! うん!」

 私はもう32歳実家暮らしOLではないのだ。

 32歳 居候いそうろう剣士けんしにジョブチェンジしたのだ。

 セカイが世界を救うのだ。

 

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