第5話

「ラオ・インだ。セカイ、待ってたぜ」

 顔がライオンのマッチョが言った。

「カカノシンだぜ。オイラまで忘れちったのかセカイ?」

 傘を被った顔がクッションで腕が横一直線で足一本のカカシが言った。

「ブリキロボだ。また魔王倒しに行こう」

 顔も身体も手も足も四角いブリキロボが言った。

「セカイ? 思い出せそう?」

「んー見た事あるパーティではありますな」

 なるほど、オズの魔法使いか。

 ミナもドロシーに改名したら良いのに。

 てか、私このパーティにいらなくない?

「セカイが記憶喪失ってことは技も全部忘れたということか? ふ、面白い」

 ラオが何が面白いのか面白いと言った。

「おい、ラオ何が面白いんだよ。セカイの身にもなれっちよ!」

 カカノシンが私の気持ちを代弁してくれた。

「ラオはセカイが強すぎてモンスターを一撃で倒してたのが退屈だったのだ。セカイ許してくれ」

 ブリキロボが教えてくれた。

 一応私チートキャラみたいな感じかな。

「そうだ! せっかくだからモンスター倒して今のセカイのレベル測ろうよ!」

 ミナ、余計なことを。

「ミナ、ナイスアイディアだぜ!」

「さすがミナだっち!」

「我の計算もそれが良いと言っている」

 次々と賛成を言い出し、ブリキロボがトドメを刺した。

「私の意見は無いのか」

 セカイ・ヤマダが有能過ぎて転生した私が苦労している件について。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る