第54話 疑念
瑤迦は飛龍と二人になったところで、気になっていたことを尋ねてみた。
「飛龍、私が転生したこと、知っていたのは何人だ?」
その質問に飛龍は不審がって聞き返した。
「……どういうことだ?」
「私はやられてからのことがわからない。でも、信ちゃんは私が転生してたことを知らなかった感じだった。天帝が自分の近衛にまで隠していたとは思わなかった」
「そうだ。知っていたのは、天帝、皇后、特魔、俺たちだけだ。他の者には言わないように天帝からも念を押された」
飛龍の答えに、瑤迦は諦めたようなため息をこぼした。飛龍は探るように聞いてみた。
「瑤?何かあるのか」
「天帝が、迅と雷に不審人物の洗い出しを頼んでいたな」
「ああ、それは前の戦の時と同じ理由だ。天人の何人かが我龍山に連れて行かれた…というか、自分の意思で行ってるんだろうが。兵力にされるだけなんだがな。その手引きをしてる奴がいるだろうから探せと以前から天帝は言ってたが」
その答えに瑤迦は納得しなかったのか、さらに尋ねた。
「それだけか?」
心当たりがないらしい飛龍はてんで分からないといった様子だった。
「どう言うことだ?」
飛龍の質問に瑤迦はクスッと笑って質問で聞き返した。
「人界で、私が襲われたのは何故だろうな?」
龍使い 瀬戸 玉華 @gyokuka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。龍使いの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます