第46話 伏せられていた真実

「瑤迦様って……あの瑤迦ちゃん!?」

―ちゃん。この男はどうして誰にでも彼にでもちゃんをつけるのか。そのうち天帝ちゃんとか言い出すんじゃないのか。そんなことを考えていると、周がひどく驚いた様子で言った。当然だ。何しろ瑤迦は―

「バカな!瑤迦姫は先の戦いでお亡くなりになったはずだろう!」

そう。瑤迦の転生は天帝、皇后、特魔、四天龍以外には伏せられていた。

「天帝の力で転生したんだ」

「転生?でも天人って転生できるの?」

信も不思議そうな顔で尋ねてきた。だが、飛龍はそんな話などする気がなかったのでこの質問をすっぱり切り捨てた。

「そんなことは天帝にでも聞いてくれ。今はどこに消えたのか、どうして消えたのかが問題だ」

「そうね。でもどうする?手分けして探す?」

「いや、天界は四天龍で探しているからそれ以外の場所を……」

「それ以外って……」

怪訝な顔で聞いてきた信をあっさり無視し、飛龍は女官長に顔を向けた。

「あなたには仙界を探していただきたい。もしかしたら皇后の手がかりがあるかもしれない」

女官長はいきなり話を振られ驚いたようだったが、戸惑ったのは一瞬で、すぐに対応しますと言ってくれた。

次に侍従長に目をやった。先ほどのことがあってかビクッと体を震わせた。

「あなたは水鏡が使えるだろう。人界を見ていただきたい」

「人界ですか!?いえ……かしこまりました」

 残された信と周も飛龍に尋ねた。

「それで?アタシたちは何をしたら良いの?」

「お前たちは―」

言いかけた瞬間、ドクンと心臓が脈打った。そして、消えていた瑤迦の気を強くはっきりと感じたのだった。昨日よりも強く―。

飛龍は駆け出し、龍体となり飛んでいった。

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