第4話 あなたは何者?
龍弥と龍揶が優しく的確な指示で部屋にいる人達を集めてくれたから皆随分落ち着いてはいたが、
今の今まで一緒に働いていた人間の服がスーツから着物のようなものになり、言葉遣いが豹変し、
4人の男(それも絶対日本人じゃない!)を従え戦い、男のうち1人は水を出すというゲームか何かを見ている様な
現実にショックを受けたのだろう気を失っている人も何人かはいた。
瑤迦が目を向けると、真悠が震えた声で尋ねた。
「えーと……ねえさん?ねえさんだよね?これ……いったい何が起こったの……?」
瑤迦は一度俯いた後、真悠の目をしっかり見て、集まっている人たちを見て答えた。
「驚かせてすまない…思い出したんだ。私は人間ではない。正確には人間では無くなった。私は龍使い。天界と天帝と皇后を守護するもの」
申し訳ないと思った気持ちは本当だった。急に記憶が戻り、瑤迦自身戸惑っていることも、驚いている事も。
瑤迦には人間界で過ごした27年間が確かにあったから。勿論父母もいる。真悠とは就職してからの付き合いだが、一番の友人と思っていた。
「何言ってんの……?」
真悠は声を振り絞る。
「分かんないよ……」
真悠にとっても瑤迦は一番の友人だった。
「分からずとも良い。私が天界に戻ると同時にそなたたちの記憶から私は消える。生活も今まで通り進む。私が最初からいなかったものとしてな」
「だから、分かんないってば!」
真悠は声を大きくした。瑤迦は俯いた。何かを言ったところで変わる事ではなかった。
「最後ですよ。どうせ彼らは忘れます。言ってしまっても良いのでは……?」
顔を上げると昇龍が優しく微笑んで言う。
「その方があなたも心置きなく天界で戦える。私達もあなたを天界へ連れ帰る罪悪感が減ります」
「そうだな……」
瑤迦はどこから話そうか少し考え、軽く深呼吸をし、話し始めた―……
「私は天界に住む天人。そして龍使いだ。龍の力を使える……まぁ、天界でも珍しい力を持ってるんだ。この4人は人の姿をしているが龍族だよ。つまり私は彼らの力を使える」
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