第5話 解体を覚えたよ
翌日、僕は狩りに行く前にナイを鑑定した。
━━━━━━ステータス━━━━━━
名前 :ナイ(奴隷)
レベル:1
HP :18
MP :23
攻撃力:2
防御力:4
──────呪文───────
──────スキル──────
━━━━━━━━━━━━━━━━━
「うわー、分かってたんだけど、お前の能力ゴミだな。」
「ご主人しゃま、ひどい」
本当にナイは何の能力も無かった。
幼女に期待はして無かったが、思った以上に弱かった。
「このままだとゴブリンにも一撃で殺されるな。」
「よし、魔法を買いに行くぞ。」
「あい」
僕たちは昨日の魔法屋に行った。
店員に金貨10枚を払い、ウィンドのスクロールをナイにインストールした。
「次は武器屋に行くぞ。」
僕たちは武器屋で解体用ナイフを探した。
「すみません。この子が持てる解体用ナイフってありますか?」
「あん?このちびっ子がか?」
「はい。」
「そこの棚でも見な」
僕は棚に並んでいるナイフを見て鑑定を掛けた。
鉄ナイフD★☆☆☆☆
鉄ナイフD★☆☆☆☆
鉄ナイフD★☆☆☆☆
聖銀短剣S★★★★★
鉄ナイフD★☆☆☆☆
「うん!? これは…」
「すみませーん。この〝鉄のナイフ〟はいくらですか?」
「あん? それなら金貨1枚だ。」
「じゃあ、これ下さい。」
「ほらよ」
「ありがとうございます。また来ます。」
「ああ」
僕はSランクも聖銀短剣を手に入れた。
偶然だった。あの親父も気付いて無かった。
「うひょーーー。ざまぁガチムチホモ親父め」
僕はテンションが上がってナイの手を取りと路上で小躍りした。
「ご主人しゃま、どうしたの?」
「お前のナイフを買いに行ったら超レア武器ゲットした。」
「おい、お前は弱いからコレ使え。左腕だけでも大丈夫だろ。」
そして、焼け野原なった草原に出て来て獲物を探す。
しかし火災が原因でモンスターは居なかった。
「獲物はいねーな。向こうの森に行くか。」
「ご主人しゃま、疲れて動けないでしゅ」
「あ? このカスめ。俺の背中に乗れ。」
僕はナイを背中に乗せ森まで走った。背中でナイがはしゃいでる。
「ご主人しゃま、速いでしゅ。しゅごい。」
「当たり前だ。お前みたいなガキは荷物にもならねえよ。」
森の入口に着くと他の冒険者が数名休憩をしていた。
「き、貴様は"水激"…」
「あん?テメエはピータンだったか?臭そうな名前だな?」
冒険者ギルドで絡んできた男達であった。
「なによコイツは。ガキを背負って森に来るなんて、子守でもしてるのかしら?」
後ろから女性が話しかけてきた。
「貴方は誰ですか?」
「私はB級冒険者のサトリ。そこのピーターの知り合いよ。」
「それでサトリさんは僕に何か用ですか?」
「何コイツ? ガキは帰りなさいって言ってるのよ!」
「ガキって誰の事ですか?」
「ムカつくガキだね!黙って言う事を聞いてりゃいいんだよ!」
パーン…
僕はサトリと言う女性に頬を打たれた。
「さ、サトリ… やべぇって…」
「なにガキ一人にビビってるんだい?だらしないね」
パーン…
「え…?」
「おい、偽乳ババア、女だからって許さねえぞ」
パーン… パーン…
「い、痛い…」
「まさか先に手を出しといて許されるとか思ってねーだろうな?」
「す、水撃、もう許してやってくれ」
「こんのガキャ、B級冒険者のアタシに手を上げるなんで許さないよ!」
パーン… パーン… パーン… パーン…
「ちょ、い、痛い… ま、待って…」
サトリが連続で頬を打たれ、倒れ込む。
キミヒトは気にせずサトリの頬を打つ。
パーン… パーン…
「いたぃ…あっ… ちょっと…」
ぐりん
「ちょと、なにを…」
スパァーーン
「あぁん!」
スパァーーン スパァーーン
「あぁん、ちょっと… なにを…」
スパァーーン スパパァーーン
「はぁはぁ も、もっと…」
スパパパパァーーン
サトリの顔が紅潮して、キミヒトをうっとり見つめだした。
「ゲッ… キモッ…」
「ご主人しゃま?この女の人は喜んでましゅよ?」
「ねぇ… もっと強く… 叩いて…」
「き、今日は、こ、これで勘弁してやる。」
僕はこのサトリが怖くなって、ナイを背負って森に走って逃げた。
でも後ろから彼女が追ってきた。
「ねえ、待ってよ。アタシを置いてかないでよ」
「ひぇぇぇ こっち来るな!!」
「酷い。アタシも連れて行ってよ。」
彼女に付きまとわれたのであった…
_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄
僕はサトリから逃げることを諦めて森で狩りをする。
彼女は知識が豊富で流石はB級冒険者だった。
オークが現れ、僕は瞬殺する。
ナイはサトリから討伐部位の解体を教わる。
ゴブリン、コボルト、オーク、オーガなどを片っ端から倒し
ナイがそれの討伐部位を解体する。
「アンタ凄いね。無茶苦茶強いじゃないの。」
「ご主人しゃま。切り取ったでしゅ。この短剣良く切れるでしゅ」
「そうか。よしナイ、次は俺がモンスターを押さえておくから切り刻め。」
「あい」
オーガが現れて俺は羽交い絞めにした。
ナイが震えながらオーガを首ちょんぱした。
ゴブリンも首ちょんぱ。コボルトもちょんぱ。
他もちょんぱ、ちょんぱ、ちょんぱ。
ナイは何度もレベルアップした。
僕たちは血みどろになりながら、二人でちょんぱする。
「ひぃっ…、アンタたち怖いよ。ちょっと水浴びでもすれば?」
「血の匂いに誘われてモンスターが来るから楽だな。」
「でもちょっと匂うな、川か湖でもあれば洗い流すか。」
ガシッ! ちょんぱ! ガシッ! ちょんぱ!
「ご主人しゃま。ナイは強くなったでしゅ!見てくだしゃい。」
ヒュン ヒュン ヒュン
「おお!凄いじゃねーか!短剣が見えないぞ。ステータスを確認してやる」
━━━━━━ステータス━━━━━━
名前 :ナイ(奴隷)
レベル:20
HP :198
MP :261
攻撃力:229
防御力:56
──────呪文───────
ウィンド
──────スキル──────
首ちょんぱ
━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ナイ。強くなったな。これで狩りは安心だぞ。」
「あい。がんばりましゅ。」
「アタシも頑張ったでしょ?」
「だからさ、お礼が欲しいのよ。アレをしておくれ。」
彼女が後ろを向いて、僕にお尻を付き出して待っている。
「ん?あ、ああ…。そ、そうだな。」
ガシッ! ずるん。 スパァーーン スパァーーン
「ああぁん、生でご褒美なんて…」
「ナイもお手伝いするでしゅ!」
ドゴッ! ドカッ! ドゴッ!
「い、痛い!痛い! やめて蹴らないで!」
「ご褒美のお手伝いでしゅ!」
ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ!
「し、死ぬ。もう止めて。助けて!」
「あれ?喜んでないでしゅね?」
「ナイ…。ちょっと違うんだ、それは暴力だ…」
「サトリ、大丈夫か?すぐにヒールを掛けてやる。」
僕はサトリに優しくしてあげた。ちょっと可哀相だったから。
「ぐすん…。痛いよぅ。アンタありがとう、優しいのね。」
サトリが涙目になりながらお礼を言ってきた。
僕はナイに、ご褒美には特殊な訓練が必要だから真似しては駄目だと教えた。
帰りに川を見つけたので二人で血を洗い流し街へ帰った。
冒険者ギルドに着いて討伐部位を提出する。
金貨60枚の報酬を受け取った。
ナイは、まだ小さいので冒険者にはなれない。
「なあ、サトリ。欠損部位の治癒って出来るのか?」
「王都の大教会に居る聖女様が、回復魔法で治せるって聞いたことがあるよ」
「そうか、王都にでも行ってみるか。」
「この街を離れるのかい?」
「そうだな。ナイの右腕を治したいしな。」
サトリは街を離れられないと言っていた。家族の面倒を見ているためだ。
俺は聞いてないのに勝手に語り出した彼女を放置しておいた。
「…と言う訳なんだ。アタシも一緒に行きたいけど、無理なんだ。」
「ん? あ…ああ、仕方無いな。世話になった。元気でな。」
「うん。アンタも元気でね。」
王都に向かう馬車に乗り、二人は街を出た。
特に目的は無かったので、僕たちはナイの右腕を治す旅に出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます