栄冠の節「ラスボスの仲間達」
リオン達の目の前に現れた、四人の男女の新入生。
彼らこそ、原作ゲームでラスボスのアーデルハイト率いる帝国軍で、後の重要な戦力となるラスボスの仲間達であった。
「随分と腑抜けた戦士に成り下がったものだなギルベルト。俺達が遠征している間に力を増して魔軍と戦ったと兵士達から聞いてはいたが……どうやらとんだホラ話だった様だ」
「そういうお前は、相変わらずの態度の悪さだなウルリック……軍団長を父に持つ子息とは思えん振る舞いだ」
ウルリック=ヴァン=ブレイク。
青黒い髪で色白のしょうゆ顔、細面にまるで獲物を狩る様な鋭い眼光の持ち主の男性だ。
彼は帝国軍団長の息子で、軍団長はギルベルトの父である将軍と昔からの悪友であった。
なので、ギルベルトとウルリックは父達と同じ幼い頃からの友達なのだ。
「まぁギルベルトはともかく、次期女帝様のアーデルハイトは随分と逞しくなったものだな。今の強さならこの俺と良い勝負が出来るかもしれんぞ?」
「フフフ、あなたからそう言われると私も少しは自分に自信が持てるわ。元気そうで良かったはウルリック……」
―モミモミ
「きゃっ!!!」
アーデルハイトが思わず女の子ぽい悲鳴を上げた。
「ウフフ……相変わらず
突如背後からアーデルハイトの胸を鷲掴みした女性はニヤニヤと笑っていた。
「はぁ……カロリーナ、あなたも相変わらずね」
カロリーナ=ランドール。
茶髪の長髪の女性で、ボンキュッボンのまさにセクシーと言う言葉に相応しいボディの持ち主だ。
アーデルハイト以上の大きな胸元を大胆にも開いており、妖艶な雰囲気をプンプンと漂わせていた。
―うわぁ……ありゃもう完全にほぼ痴女だな。
そういえば、ゲームで敵として戦った時も規制大丈夫か? ってくらいの露出した衣装だったもんなぁ……。
カロリーナを眺めていると、その視線に気づいたのかリオンの元へと歩み寄って来た。
「ちょっと待って……あなた……」
リオンをまじまじと見ながら顔を近づけるカロリーナ。
―バシッ! モミモミ……。
カロリーナはリオンの
「うん! 素晴らしいお尻だわ! このプリっと上がって鍛えられたお尻は、そうそう出会えるものじゃなくてよ!」
カロリーナなは何やら親指を立てながら合格のサインをリオンへと送った。
「…おい、カロリーナには気をつけろよ。あの女は手当り次第に
ボソッとギルベルトはリオンの耳元で忠告した。
「やっほー! 相変わらず大きいねギルベルトは! 元気にしてたかい?」
突如ギルベルトの背中に可愛らしい子が飛び乗って来た。
「久しぶりだなロイス! お前も相変わらず元気そうだな」
ロイス=フォン=バルダ。
薄紫色の短髪だが、後ろ髪は背中まで長く伸びた髪を三つ編みにしている何とも特徴的な髪型をしている。
そして一番驚くのは、何とこの可愛らしい見た目でありながら
男性でありながらもしっかりと女性用の制服を着ており、女性以上にスカートを華麗に履きこなしているのを見て、リオンはなんとも言えない眼差しを向けていた。
「おや? 新しい子が居るねぇ。はじめまして、僕はロイス! 同じ第一寮の仲間しとして、仲良くしようね!」
ロイスは笑顔でリオンに手を前に差し出した。
―おぉ……普通ならちょっと距離を置きたくなるタイプだが、なんだろ……今は何故かとても
何だかロイスとはこの先上手くやって行けるそうな気が早くもして来たぜ。
「リオンよ! よろしくね、ロイス!」
リオンもロイスと同じく、笑顔で握手を交わした。
「おい、呑気なもんだなボンボン共わ。
イェッタベルガ=ケッシ。
地面に着く程の長い赤髪のツインテールの持ち主で、非常に男勝りな性格と言葉遣いが特徴的な女性だ。
彼女は実は傭兵団の出身で、その戦闘力を帝国に買われ上りつめて来た成り上がり系のキャラクターだ。
「イェッタ、無事に学院へ入学出来たみたいね。私も嬉しいわ」
アーデルハイトはイェッタに近づくなりそう言った。
「あったりめーよ。あーしがこんな所で落ちてたまるかよ。将来あーしは帝国の最強の戦士になるんだからな。その時はせいぜいよろしく頼むぜ未来の女帝様よ!」
イェッタはニヤリとしながらアーデルハイトの肩を叩いた。
「えぇ、もちろん期待してるわよ。さて、これで第一寮はリアとヘンリエッタ以外は全員揃ったみたいね!」
「ん〜? いや、ちょっと待ってアーデルハイト。まだ一人足りないよ? 今年の第一寮の生徒は全部で十人のはずだもん」
ロイスが辺りをキョロキョロしながら答えた。
「そう言えばそうね……でも、あと一人は誰なのかしら。私は何も聞かされていないのだけど……」
「それは、
振り返ると、そこには一人の女性が立っていた。
黒い長髪に、白く透き通った肌。そして、燃え上がる様な真紅の瞳の美しい女性だった。
―あれ? こんなキャラクターなんてゲームに居たっけ? 他の四人は帝国のアーデルハイトの仲間で間違いねぇけど……黒髪で真紅の目のキャラクターなんて俺は知らねぇぞ?
リオンがその女性に視線を向けていると、その女性はリオンの方へと一直線に歩み寄って来た。
「はじめまして……私、ロザリア=ロスヴァイセと申します。以後お見知りおきを」
ロザリアはそう言ってリオンへと手を差し出した。
「あ、どうも……リオンです。どうぞよろしく」
リオンがロザリアと握手を交わすと、ロザリアは何やら不気味な笑みを浮かべ返した。
「えぇ……是非とも仲良くして下さいまし……リオンさん」
—————————
あとがき。
最後までご高覧頂きまして、ありがとうございます!
【次回】いよいよ学院生活のスタート!!!
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