赤竜と称号

こりゃ いいご褒美になるかもな 

「領軍は撤退しろ!! お前達じゃむりだ」叫ぶ前に もう撤退してる ホント口だけの奴らだな

「シリウス旅団は前に出て赤竜を囲め!!」そう叫ぶとアタッカーが前列に魔法部隊が後方に詰めた いい連携だ

「魔法部隊 赤竜に得意の魔法を放て!!」 「私 火系なんですけど いいんですか?」 「構わない!!行けー」いろいろな魔法が赤竜を襲う

嫌がった竜が翼を広げ飛ぼうとする 「ノエルさんは右を 俺が左をやります」

「おう!!」短く叫んでノエルさんが右の翼を根元から断ち切る 直ぐに俺も左の翼を断ち切る 竜は少し浮かんだ状態かた地面にドスンと落ちた

「アタッカー!! 今の内に一撃入れろ 他は石を投げつけろ そしたら 退け!!」 ノエルさんと二人で剣舞のように切りつけていくが やはり鱗が硬い

竜が俺に炎を吐こうと口を開けてきた すかさず飛び降り竜の胸元に潜り込んで比較的弱いとされる胸元に剣を差し込む ノエルさんに龍から離れるように伝え

「雷光落花」の雷魔法を使う

雷は竜の身体を伝い 俺の剣先に落ちてくる 白い煙を出しながら竜が倒れる

「「「やったー」」」

「「「さすが!!ノエル姉さん シリウスにいさん」」」

子供達が叫びながら 走ってくる これで俺の講義も真面目にきいてくれるかな?


領軍長の所に行き 依頼達成のサインをもらう

「舐めた口を聞いて 悪かった すごいね 君達は!! パーティーの名はなんていうんだい?」  「私達はシリウス旅団よ この黒マントが目印よ」ハイジが得意満面に答える

それ以降 黒地に銀色フェンリルの刺繍が入ったシリウス旅団jrの名は大陸中に広がった

赤竜を次元収納に入れて 俺達は帰還し 皆でギルドに行き 「竜殺し」の称号がついてるか確認すると 皆に称号が付いていた ハイジ クラリス チェルシー ラテは大喜びだ

一撃をいれた子供は動揺している 倒したわけでもなく それで「竜殺し」の称号が得られたのだから 当たり前か シリウス旅団全員で倒したんだから気にするな

ただ 今回は頑張ったご褒美の意味を込めて 称号を取らせてあげたので 自分の実力を見誤ってしまわないようにして欲しい


「みんなー お疲れー 今夜は赤竜ステーキ祭りをするぞー」

広場に巨大な鉄板をいくつか置いて 俺はせっせと竜肉を切り分けた

噂を聞いた人やクロノス国王 マリアート様まで集まって来ている

旅団jr達に焼くのは任せ 俺は今度はコルテと一緒に転移して買ってきた魚の料理に取り掛かる

ドラゴンステーキも好評だったが 海の幸の料理も大好評だった

特に森の魔女さん達には魚料理が珍しかったらしく群がって食べてた

ニーナが乾燥した果物を練り込んで作った焼き菓子は子供たちに大人気だ

酒も入って上機嫌なノエルさんがすわった目のまま 俺の所へ来て

「シリウス!! いつになったら私はお前のお嫁さんになれるんだ?」

と絡みだした 

「そうだよ お兄ちゃん 何時になったらお姉ちゃんと結婚するの?」

赤い顔をしたハイジも絡んできた 誰だ!! 子供に酒を飲ませたのは?

「そうだよー」普段大人しいクラリスまで参戦してきた

だから 誰だ!!子供に酒を飲ませたのは?

森の魔女のアリスさんがニヤニヤしながら見ている あんたか!?


俺にとって散々な宴会が終わった翌日

[[頭が痛いー]]ハイジとクラリスが唸っていた 「気分が悪い」ラテも飲んだのか?

シリウス旅団jr全員を集め 卒業を宣言する お前たちは良く頑張った

暫くは 複数パーティーで行動するように 単体パーティーはまだ俺が怖い

色んな土地で活躍してこい 

三連星にアンとウラルが入ってパーティー名は五連星にしたそうだ 頑張れよ


五連星とチェンズはSランクを目指して国を出た 母ちゃんが物凄く心配しているが

あの子達なら大丈夫だろう 頑張れよ チェンズ 五連星!!


jr達を見送った夜 俺は独りでコルテの店に来ていた パーティーを抜ける時は 険悪だったが 料理を通じてまた仲良くなった

「俺も ノエルさんが好きだが 先ずは勇者としての責務を果たしてもらいたいから 結婚の話はまだまだ先だな」

誰に言うでもなく独り言ちる

いろんな事を考えすぎて 飲んでも飲んでも酔わない ノエルさん含めてハイジやクラリス ラテ チェルシー 大好きな皆には幸せであって欲しい 駄目だ何を考えてるのか自分でも分からなくなってきた

そろそろ 帰って寝るか 外にでて 満天の星をみると 何だか心寂しい気分だ


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次回から「黄昏のクロノス」をこちらで再掲します

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