マーダーアントの後始末

ギルドに着いて依頼達成の報告をし 裏の解体場にマーダーアントの頭を山のように積み上げていく

[こ こんなに沢山!! あ!! 女王の頭もある] ジェルさんが大騒ぎしている

「こ これ全て売って頂けるんですか?」問われて

「ええ もちろん 後 胴体や脚は持って帰るのが面倒だから置いてきてるから 必要なら誰かに取りに行かせるといいですよ」そう言うと

「緊急招集ー!!」ギルド本館に戻って叫ぶ その声にざわざわしていたギルドが静かになる

「緊急招集!! マーダーアントの巣付近に沢山の素材が落ちてます 買取しますので 手の空いてる方は向かって下さい もちろんマーダーアントは殲滅済です 街の孤児達にも声を掛けて下さい」一気に捲くし立てる

やっぱり ジェルさんは 良い人だな


三連星と少女二人にも取りに行くよう伝えると走って後を追って行った

マーダーアントの頭は女王のも含めて 全部で白金貨三枚になった

「こんな綺麗な素材は滅多に見ませんよ 大体がどこかしらに傷がついているんですが それに酸袋も大量に残っていましたし さすがシリウス旅団ですね」

ジェルさんが褒めてくれるが 攻略方法知ってれば誰でも出来るんじゃないか?

「そう言えば 今回の殲滅戦でハイジさんとクラリスさんはSランクに上がれますけど どういたしますか?」ジェルさんがハイジとクラリスに聞いてくる

二人は顔を見合わせて頷く

「まだ Sランクの力は私達には無いわ 今回のも母ちゃんやお姉ちゃんお兄ちゃんがいたから達成できたんだから もっと強くなって自信が持ててからにするわ」

ハイジが言うと ジェルさんはクラリスを見て「それでいいの?」優しく問いかける

「うん!!」決意を新たにクラリスが頷く


そんな話をしていると マーダーアントの巣から 戻って来たもの達が買い取りカウンターに並び始めた 大体脚一本銀貨二枚程で買い取っていく

孤児達は工夫して脚を背中に何本かくくりつけ両手にも 一杯に持っている

これで 彼らも暫くは腹を空かす事も無いだろう


三連星と少女二人も脚を沢山持って帰って来た お金を受け取って大喜びしている

 さて 事情を聞き出すか

ジェルさんに言って大きい会議室を借りて三連星と少女二人に事情を聴く

ハイジを騙ってたのはアン クラリスを騙ってたのがウラル 二人共戦争で村を逃げ出て 彷徨ってたのを奴隷商に捕まったらしい

 そして銀髪の男に買われたらしい いい案を思いついたと連れの金髪にノエルを名乗らせ 自分はシリウスを名乗りアンにはハイジ ウラルにはクラリスと名乗るように言ってきた 四人で何度かダンジョンに潜ったが囮にされるか盾として使われてたそうだ 今回も金髪と銀髪の前に立ち酸を身体で止めろと言われていたらしい 奴隷服のままで

「殺しておくべきだったな!!」さすがにノエルさんもお怒りだ


 次に三連星は 同じ村の幼馴染だそうだ こちらも戦火の中三人で逃げ延びたそうだ ただ 逃げたはいいが働こうにも身分を証明するものが何も無い

どうするか相談している時に三聖女パーティーの噂を聞き 小さい村や町の簡単な依頼を三聖女パーティーとして受けている内に 本当に自分達が三聖女パーティーなんじゃないかと思い込んでしまったらしい


 「アンとウラルはこれからどうしたい?」二人の奴隷の首輪を外しながら聞いてみる ガシャンと音を立てて首輪が落ちるのを泣きながら見て「シリウス旅団みたいに強くなりたい!!」 「あたし達みたいに困ってる人を助けたい!!」と言う

「分かった じゃあ俺達と聖王国へ行くかい?」

「「うん 行く!!」」

目をキラキラさせながら言う二人を羨ましそうに見る三連星

「お前達も来るか?」 「「「はい!!」」」言い終わらないうちに返事された


ジェルさんに聞くとこの街の孤児は酷い状態ではないらしい 彼らにも出来る依頼もあるし 街の住人とも上手く共生してるらしい 俺は先程貰った白金貨を一枚ジェルさんに渡し「何かあったら 子供達に使って欲しい」と頼んだ

母ちゃんもノエルさんもニヤニヤしながら俺を見てる

「何度 私はおまえに惚れなおせばいいんだ?」

「さすがは 我が息子だ!」

お二人からお褒めの言葉を頂く

改めて裏庭に全員で集まり聖王国へ転移する

皆いる事を確認してラテと女性陣は風呂に行ってもらう 俺は孤児院のまとめ役のマリアさんの所に行き 事情説明と五人の部屋を確保してもらう

手筈を整えたので俺も風呂に向かった 流石に自分でも匂うからな


 


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