マーダーアント討伐

街を出て俺と母ちゃんの背にいつものメンバーを乗せ マーダーアントの巣に向かって走る 暫く走ると少し向こうに揉めている人達が見えた

俺と母ちゃんも人の姿になり近づいていくと声が聞こえてきた


「だから! マーダーアントの巣は我々シリウス旅団に任せて 君達は帰り給え」銀髪 黒目の青年が叫ぶ  ん?

「いいえ! 私達三聖女パーティーが殲滅するわ!」金髪の女性が言い返す  んん?

ノエルさんや他の皆の頭にも?マークが浮かんでいる


 近づいて「何か トラブルでも? 俺達はギルドに言われてマーダーアントの巣の殲滅に行く途中なんだが」俺が穏やかに聞いてみると

銀髪の男が「フン!ただの冒険者風情が俺等シリウス旅団に何の用だ?」

「シリウス旅団?」俺が聞くと

「俺等を知らないとは とんだ田舎者だな」銀髪が小鼻を膨らませながら

「俺等は火竜を倒したシリウス旅団だ そこにいるのが勇者ノエル」銀髪の言葉に小太りの金髪女が胸をそらす 俺はポケットに入っていた小石を指で弾き 吹き出物だらけの女の額に軽く当てる 蹲る女を見もせず 銀髪が「そして 俺様が伝説の従者シリウッ!!」最後まで言わせずにノエルさんの拳が銀髪の顔に叩き込まれた

「貴様みたいのが シリウスなわけないだろ!!」ワナワナと震えながら銀髪を睨みつけるノエルさん

一緒にいた幼い子供が目を瞑って「私はハイジ」「私はクラリス」とそれぞれ小さく呟くと ラテが女の子に軽くチョップをいれる 二人は涙目になり「ごめんなさい 嘘です」とラテに謝る


「偶然だな 俺等もシリウス旅団って言うんだ」ギルドカードを金髪女と銀髪男に見せながらニヤニヤしてみる 「俺達の名を騙ったのがどういう意味か分かるか?

火竜の後に人間なんて簡単にやれるぞ」ちょっと殺気を出しながら一歩近づく

「「ヒャアー ずびまぜんでじたー!!」」金髪と銀髪は恐ろしい勢いで逃げて行った 子供二人残して 子供二人はブルブル震えながら「「本当にごめんなさい」」と泣き出してしまった

「あの二人を追いかけなくていいの?」ハイジが聞くと「「いいです!!」」 キッパリと言い切った


 「さてと 自称三聖女パーティーさん達 俺等も三聖女パーティーも王国を拠点にしてるから よくしてもらってるんだが お前らは誰だ?」こちらも軽く殺気を飛ばしながら聞いてみる

「わた 私達はさん さん 三連星っていうの 三聖女パーティーじゃないわ」

クラリスが「私の憧れの人の名を騙るなんて!!」風刃を飛ばしながら抗議する

いや ちょっと手加減しようか クラリス 三人共ボロボロだぞ

「「「本当にごめんなさい!!」」」 謝ってるしそろそろ許してあげなさい クラリス

「とにかく この子供二人連れてギルドで待機しとけ!!」三連星に言って街に帰す


そこから 暫く歩くとでかい蟻塚が見えてきた 立ち止まり対マーダーアント用の装備にする 今回はハイジの肉弾戦は弱いので戦斧を持ってもらい 母ちゃんは人型になって鉄扇で戦ってもらう

「戦い方だが 前にも言ったように奴らは酸を飛ばしてくる そして 外骨格が異常に硬い だから先ずは頭と胴体の関節部分を切って頭を落とす 奴らは頭を落としても動くので次に脚と胴体部分の関節を切り落とす 以上だ!!」

「「「了解!!」」」


蟻塚の前で警備をしているであろうマーダーアントを二匹見つける

一匹の足元をクラリスが氷で固め動けなくして その隙にハイジが戦斧で頭を落とす

頭がおちても動こうとするのを ラテとチェルシーが脚を切断する

もう一匹はノエルさんが頭を落とした後 舞うように脚を切り落とす

俺は魔力を集中させ蟻塚の入り口に向けて魔法を飛ばす 「爆炎」唱えた瞬間 蟻塚の中で大爆発が起こりワラワラをマーダーアントの群れが這い出して来る

「取り合えず 一人で十匹も倒せば殲滅出来るだろう 行くぞ!!」

皆にに「身体強化」だけかけて 俺も群れの中に突っ込む


ノエルさんは吐き出される酸をマントで防ぎながら猪突猛進で突っ込み頭を切り落とし 流れで脚も叩き切っている

母ちゃんは酸を右に左に避け 鉄扇で頭を落とし 舞うように脚も落としている

チェインズは最初の戦方で着実に一体一体倒していく

俺は酸をジャンプして避け そのまま上から頭を落とし背中に乗って脚を落としていく

ある程度 倒した所で 巣の中から一際大きい個体が出てきた 多分この巣の女王だろう

「クラリス!! 脚を止めろ!!奴は酸は吐かないが力が強い 足止めして先ずは脚を落とせ!!」

「「「おう!!」」」

クラリスの「氷結」で脚を止めて 俺を含めて他が脚を落としにかかる ハイジが脚を一本落とした事で女王は暴れまわり「氷結」を砕いて残った足を振り回してくる

近づけないでいるとテとハイジがラテの「隠蔽」を使って背後に周り脚を落とす

バランスを崩した女王に走り寄り 俺も一本切り落とす 

もう立つ事も出来ない女王にノエルさんが頭を狙って剣を振り落とし頭を切り離す


 暫く蠢いていたが完全に動きが止まったのを確認して 掃討戦にかかる 巣の中も確認するが討ち漏らしはないようなので 再び巣を作らないように巣に「大爆発」の魔法をかけて完全に破壊する

俺達はマーダーアントの頭だけ次元収納に入れ街へ帰ろうとするが 岩陰から顔を真っ青にした少女二人と三連星が現れた

「私達が間違っていました これほどお強いとは!!」

少女二人も目をキラキラさせながら見てくる

見られていたのか まあ しょうがないか 

彼女らも連れて街へ戻る















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