パーティーハウスとアデル王国
王宮を出ると既に夕方になっていた
念話でハイジ クラリス 父ちゃん 母ちゃんに連絡を取る
最近出来た飯屋で落ち合うようにして 場所を聞く
(中央通りの花屋から右に入った路地にある店よ 名前はコルテ&ニーナよ)
コルテ&ニーナ? どっかで聞いたような? まあ ノエルさんと向かう
言われた場所に着くと もう皆 集まっていた
注文を取りに来たのは昔のパーティーメンバーのニーナだった
「ニーナ こんな所で何してるんだ?」
「あら シリウスじゃない あなた達と別れた後 迷宮探索が上手くいかなくなってね コルテが昔に取ったスキルに「料理を極めし者」ってのがあって それでこの国に来て店を開いたの」
「そうだったのか」
奥を見るとコルテが不機嫌な顔をして 料理をしている
酒と果実水とお勧めの料理を何品か頼んで 皆に今日のクロノス王との話の内容を聞かせる
「「パーティーハウスなら私達の家の隣に建ててよ」」ハイジとクラリスが揃って言う
「まあ その辺は 明日にでも大工のエドさんに相談してからだな」
「皆でこの国に住むのね うれしいわ」クラリスが笑いながら言う
「ところで ラテはどうする? 空いてる孤児院に住むか? 俺達と住むか?」俺が聞くと
「ラテは私達と一緒に暮らすの 国にいる間は学校にも行かなきゃいけないし」
ハイジがラテの肩を叩きながら 笑って答える
「そうか ラテはそれでいいのか?」俺が聞くとラテはコクンと小さく頷く もう二人の尻にしかれてるのかな?
しかし コルテの料理は美味いな 今度 レシピを聞いておこう
子供三人と別れ 俺達は宿屋に泊まる
次の日 エドさんに会い 建てる場所と間取りを決める
場所はハイジ達の隣とはいかず 一つ通りを挟んだ場所になった 間取りは一階は集会用として大きな部屋を一つと台所 トイレ 二階は俺 ノエルさん 父ちゃん 母ちゃんの部屋と予備に一室
完成まで二か月ほどかかるので その間は空いてる孤児院にクロノス王の計らいで泊めてもらう事になった
昼間は子供達は学校に行き 俺はコルテの所に押しかけレシピを教わった ノエルさんはフェンリル姿の父ちゃんと母ちゃんを連れをて無害である事を国中に説明して周ってる まあ いきなりでかいフェンリルに会ったらビックリするだろうしな
五日振りにノエルさん達が帰ってきた 無害だと説得するのに苦労したそうだ
「ワシなんか 説得する為にお手やお座り はてはチンチンまでさせられたんだぞ!!」父ちゃんがフェンリルの矜持がー とか五月蠅いが説得出来たならいいんじゃないか? 人の姿でいるのを嫌がるし これでフェンリルの姿で堂々と国内を歩けるだろ?
ハイジ達も学校が終わって遊びに来たので 孤児院の台所でコルテに教わったレシピで料理して皆に出した
「シリウス また料理の腕を上げたな!!」一口食べてノエルさんが褒めてくれる
「「「本当に美味しいよ!!」」」子供達にも好評でなによりだ 実際コルテの所に押しかけてから料理のスキルが上がっている
「ラテ ここの暮らしはどうだい? 学校は楽しいか?」俺が聞くと
「食べ物は美味しいし お風呂は気持ちいいし 学校じゃ誰も僕を虐めないし 最高だよ!! 連れてきてくれてありがとう シリウス兄さん」いい笑顔で答える
「そうか そうか 良かったな」俺が言うとハイジもクラリスもうんうんと頷いていた
新鮮な海の幸があれば コルテもレパートリーが増えるかもなと思いながら 一度 印を点けた漁港に行ってみるかと考え 次の日小屋に転移して市場で魚介類を買い込んで ついでにギルドへ寄ると 受付嬢が俺を覚えていて
「シリウス旅団の方ですよね!! この前アデル王国に召喚されたとかいう自称勇者とかいうのが来て 「魔人が出たそうだな この勇者イズミ様が来たからには安心していいぞ」と喚きながらギルドに入って来て ノエル様がもう倒したこと事を説明すると「なんだと!! この世界で勇者は俺様だけだぞ」とか また喚き散らして その後 市場で勇者だから献上しろとか言って食べ物や装備品をタダで持って行こうとして通報で来た衛兵に連れて行かれたんですよ」やれやれといった感じで俺に話す
噂のアデル王国が召喚した勇者ってのは とんでもないな
どうでもいいけど
「それはそうと そのアデル王国にS級ダンジョンが出来たのは知ってますか?」受付嬢から言われ
「えっ!! そうなんですか でも自称勇者がいるなら踏破したんじゃないですか?」おれが疑問を口にすると
「自称勇者様は踏破出来なかったそうです」受付嬢が呆れた顔で答える
聖王国に戻り コルテに魚介類を渡しメンバーを集めてアデル王国のS級ダンジョンの話をし ダンジョン踏破の提案をする
アデル王国に行ってる間にパーティーハウスも出来上がるだろう
ノエルさんも魔王討伐が自分の責務と捉えてるので力をつけたいらしく乗り気である
ハイジ クラリスも学校を休むのは気が引けるらしいが 行く事には反対しない
父ちゃん 母ちゃんもさすがに暇を持て余しているらしく 「行く!!」と即答
ラテが意を決したように
「荷物持ちで 僕も一緒に連れてって下さい」立ち上がって頭を下げる
母ちゃんの次元収納あるから 荷物持ちはいらないんだけど ラテも男の子だし 冒険とかに憧れるのかな?
「いいけど 絶対にハイジとクラリスからは離れるんじゃないよ」俺が了解すると
「ありがとうございます 絶対に迷惑をかけません!!」と強く頷く
翌朝 毎度の事ながら俺に抱き着いて寝ているノエルさんを剥がし 身なりを整えてクロノス王にダンジョン攻略の報告に行く
三日後に出発する事にして 食料や装備を集め アデル王国への道のりを検討する
途中「幻惑の樹海」という難所があるが 商人達はそこを避けるが 突っ切った方が早いので 俺達は樹海を進んでほぼ直線で行く事にした
旅に出て一日目 父ちゃんにハイジ 母ちゃんにクラリスとラテ 俺にノエルさんを乗せて 出発した 道中は何事も無く最初の野営地に着いた
先に野営していた商人とその護衛達が俺等を見て身構える
ノエルさんが俺らが無害というのを説明して やっと護衛達が剣を納める
彼らと離れた場所にテントを張り 一つには母ちゃん 父ちゃん ハイジ クラリス ノエルさんが入り もう一つには俺とラテが入って眠る事にする
ラテが尻尾に包まりながら「シリウス兄さん 我儘言ってごめんなさい やっと手に入れた温もりが無くなりそうで怖かったんだ 連れてきてくれてありがとう」泣きそうな声で言いながら尻尾にしがみつく
「皆 お前の気持ちはわかってるから 安心して眠りなよ」
ただ マッパで潜り込むのはだめだけどな
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