第7話シリウス(犬)の母親

四人で宿屋をしらみつぶしに当たって ラシスを捜す

5件目で受付に「ラシスという男が泊まってないか?」と尋ねていたら

食堂で飯を食っていた小太りの男が

「この国の至宝と言われる大賢者ラシスとは 儂の事じゃ 何か用か?平民」

「お前が昔 フェンリルを封印したというのは本当か?」睨みつけながら聞くと

「平民ごときが 口のききかたも知らんのか? 確かに儂がフェンリルを封印したぞ」

「ウォーン」宿の外に出て遠吠えをする これで皆集まってくれるだろう

ラシスの首を引っ掴んで宿の外に放り出す

「この平民が ふざけるな!!」喚いて火球を俺に放つ 「防御」軽く防いで首に

噛みつく 止めろ犬 傍から見たら俺が変態みたいじゃないか

一番最初にノエルが駆け付けた「クゥ~ン」俺は鳴きながらノエルにじゃれつく

感情が昂ったシリウス(犬)にほぼ身体をのっとられているな

俺にじゃれ付かれながら ノエルは小太りの男に

「お前がラシスか?」と鷹揚に聞く

「そうだ 我こそ至宝の大賢者ラシス様じゃ 貴様は何者だ 小娘?」

「おお!!これは失礼した 私は勇者をやっているノエルだ」

「な!なに!?」イヤらしい目でノエルをじっとりと見るラシス

「そうか そうか わざわざ我を見つけに来たのか? その顔と身体じゃ 結婚してやらんでもないぞ」

流石に気持ち悪くなったのか「シリウス(人間)やれ!!」と仰る

「わん!!」一声鳴いて ラシスをぶん殴る あれ?今のって俺?犬?どっちの感情だ?

ハイジとクラリスも来てくれたのでラシスを担いで一旦屋敷に帰る事にする



屋敷の地下牢にラシスを放り込み 尋問を開始する どうやら本当に18年前この近くでフェンリルを封印したらしい

理由はただの力試しでやったそうだ

封印場所に案内させ 封印を解くように促す

「解除」一声で封印が解ける 白いモヤが辺りを包み込み モヤが晴れる瞬間 突然フェンリルの顔が

飛び出しラシスの頭を食いちぎった 続けて俺らを襲おうとしたので 俺が前に出て皆を守ろうとした時

ボシュンと音と共に俺の身体がでかい犬に変身していた モヤの中から出てきたフェンリルの動きが止まる

「母上!!私だ」犬語で俺が喋っている

「なんだと!! この匂いは我が子なのか?」わんわん言ってるだけだけど 俺には何を言ってるのかが理解出来る

二匹(俺も入れると一人と二匹)はしばらく見つめ合い

母ちゃんフェンリルが俺(現在犬姿)を前脚で優しく抱きしめた 二匹で語る事も多々あるだろうと俺は意識を

逸らした

おれが意識を戻した時には シリウス(犬)の身の上話も終わりノエル達を母ちゃんに紹介していた

「子の面倒を見て頂き 誠にありがとうございます しかし森狼ごときに負けるとは情けない」

ノエル達は何を言われているのか分からないだろうから 俺が通訳した 犬の身体でも人語話せるのは驚いた

ラシスの事は無かった事にしてフェンリル母ちゃんと共に屋敷へ戻った

まあ 今日一日ぐらいはこの姿でいてやるか





 









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る