第6話シリウス(犬)の母親


(なあシリウス(犬) お前は小さい時に親とはぐれたと言ってたが 何故母親は追いかけてこなかったんだ?

自分の子供の匂いぐらい追えるんじゃないか?)右足で右耳を搔きながら頭の中で聞いてみる

(我も それを考えたが結局分からん 気づいた時には母親の匂いもしなくなっていたからな)


 「ねえ 隣国にBランクダンジョンが出来たそうよ 一緒に行かない?」

宿屋で飯を食ってるとハイジがいきなりやてきた

「隣国?メジナス王国の事か?」ノエルがちょっと嫌そうに言う 俺ってノエルの事はシリウス(犬)の事しか知らないな

「ノエルって もしかしてメジナス王国出身出身なのか?」

「そうよ ただ家には帰りたくないの 嫁入りの話しかしてこないから」

「ふ~ん 良いとこのお嬢様なんだ?」(そうだぞ 本来お前ごときが話していいお方では無いからな)うるさい犬だ

「でね 聞いて 聞いて あの後何人か付与術士と行動したんだけど シリウスさん程の力を持ってるのはいなかったの」

ハイジが話に割り込んでくる

「でね 私たちも初アタックになるから 二人がいれば安心かなと思って」

「この前 世話になったからね いいよ 一緒に行こう」ノエルが笑いかける

「ノエルがいいなら 俺も行くよ そう言えば シリウス(犬)ってフェンリルだって知ってた?」

「誰がそんなことを?」(いや 本人が言ってるんだけどね)

「まあ 犬にしては大きかったな 横になると私二人分ぐらいあったし」(そんなの犬じゃねえだろ)

「で?誰がそんな事言ってんだ?」面倒くさいからぶっちゃけちゃおうかな いや そんな事言ったらノエルの

スキンシップが激しくなるな 止めとこう

「夢にでかい白犬が出て来て自分はフェンリルだ いつもお嬢を見守っているって言ったんだ」

「何故 わたしの夢に出てこない?」本気で俺の首を絞めてきやがったので洗いざらい白状した

[ク~ン]また勝手に出やがったな犬


 ーと言う訳で俺らはノエルの領地に来ている ノエルは侯爵様のお嬢様だった

新しいBランクダンジョンがノエルの家の近くらしいので一時逗留させてもらう

当主よ 胡散臭そうに俺を見る目と微笑みながらハイジとクラリスを見る目の違いはどういうことだ?




侯爵様の娘だから お見合いやお茶会 夜会の誘いが凄いらしい それどころか勇者としての名前も売れてるので

自称 最強の戦士 最高の魔法使い 至高の賢者とかいろいろ来るらしい

「この前も この近くで10数年前フェンリルを封印してこの地を救ったとか言うのがやって来て 勇者に一番相応しいのは自分だ」

とか突撃してきた馬鹿がいたそうだ

「「ん?」」俺とノエルの目が合った

シリウス(犬)が侯爵様のお屋敷に来たのも その頃だ 何か関係あるのか?

「父上 その者はまだこの地にいるのですか?」ノエルが興奮気味に尋ねる

「ああ ついこの前来たから まだ居るんじゃないか?名前はラミスだったかな?」侯爵様が仰る

もしかしたら そいつがシリウスの母を封印したのかもしれない ノエルも同じ考えのようだ

「皆 出かけるぞ」屋敷を出てハイジとクラリスに簡単にシリウス(犬)の事を説明する

街に着いて 別れてラミスを捜す




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る