第5話
王国での生活は本当に不便が無かった。
毎日出てくる美味しいご飯。
ふわふわのベット。
部屋も妹と隣の部屋にしてもらい、いつでも話しに行ける。
ただ、暇なのは間違いなかった。
スマホもパソコンもないこの世界。
お茶を飲んだりもするけれど、侍女さんに話しかけるのも仕事中だから申し訳ない。
妹はその辺気にせず仲良くやってるみたいだけど。
私はお庭に出たり花を散策したり自由に過ごしていた。
でも最近になって変わったことがある。
2週間をすぎた頃だろうか。
あの説明をしてくれた王子、シュビラトヒーデスという人物がやたらと私の元へやってくるのだ。
妹に聞いたところ妹のところにはいってないみたい。
なんで私のところに?と思うけど、ヒーデスは意外と気さくで面白い人物だった。
最初は(なんだコイツ)位の感覚で話してたけど、今では来ない日は少し寂しいくらいだ。
あれから1ヶ月経とうとしている。
私たちはこの世界にまだ囚われたままだ。
ある日。
急にいつも登板してくれる侍女さんが大勢の侍女さんを連れてきた。
何でも謁見をするらしい。
いまさら?と思うがまぁ仕方ないんだろう。
ドレスを着ると言われた。
ここに来てから色んなことがあったけれどこんなことは初めてだ。
「私ドレスの着方なんて分かりません」
「大丈夫ですよ、全て我々に任せてください。」
「お嬢様、綺麗に仕上げてみせますからね!」
なんだか周りの侍女も息巻いてる気がするんだけど.....
「いきますよー」
「あ゛ぁぁぁぁぁ」
「まだまだです!お嬢様頑張ってください!」
「もう1回行きますよー!!」
「もうむりぃーー!!!!」
今の私?
楽してればいいなんて誰が言ったんでしょうね、ほんと。
コルセットを締められてます。
もうこれがほんとに苦しい!
胃が飛び出でるかってくらい締められた。
「少し慣れるまで休憩いたしましょうね」
「美晴お嬢様は綺麗な体型をしてるからこれだけでいいんですね!さすがです!!」
「これだけ!?こんなに締めて!?」
「大奥様はこの2倍は締められますよ」
「.....大奥様って内蔵でてない?大丈夫...?」
「ほほ、出るわけないですよ」
もうドレスなんて二度と着たくない!!!
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