第4話 変わるきっかけ
「自分が変わろうとしないと作業所を紹介しても意味が無い」
そういとこのままさんはいった。
確かにそうだ。私は全く変わっていない。
あの時からも逃れられていない。
「朝起きれてない人に朝起きろとか言われたくない」
そうRくんは言った。
その時私は凄く傷ついた。
分かってくれてると思っていた...
私だって望んで薬を飲んでる訳じゃない...!!
望んで寝てるわけじゃない...!!
薬が強すぎて起きれないんだ...!!
でも、それは全部事実でもあった。
仲直りした時私は作業所に通うことを決めた。
変わってみせると決めた。
父と市役所に行き、見学に行き、今の作業所を見つけた。
そして週2から初めて週5を目指して頑張ることに決めた。
あの時の感情は今でも思い出せる。
悲しかった、苦しかった。
でも、悔しかった。
私はなんで人格でなんで病気なんだろうか。
なんでこうならなければいけなかったんだろうか。
自分の人生を恨まずにはいられなかった。
原因となった母を、何もしなかった父を、
傍観していた祖父、祖母を許せなかった。
だからこそ頑張るのだ。
私はこの病気に負けたくない。
主人格のように逃げたくもない。
私は変わるのだ。
そう心に誓って私は今日も作業所に向かうのだ。
「かおるさんは覚えるのが早いね」
作業所では私はいつも褒められる対象にいた。
作業をこなし、プラスで何か出来る事が無いか周りに目を懲らす。
私はそういったことが得意だった。
器用だったのだ。
覚えも早く基本的に1回教えられれば覚えてしまう。
今もパソコンに向かい与えられた作業をこなしていた。
人より早くだ。みんなと同じじゃ嫌だった。
私は出来る。もっと早くだもっと。
そう思いながら作業をこなしていく。
1時間経ったあとの10分休憩。
これが私は苦手だった。
まだやりたいのだ。ここでキリが着く。そこまでやりたい。
「かおるさーん、休憩してね」
渋々と私は席を立った。
私の悪い癖でもある。
頑張りすぎてしまうのだ。
やりきるまで、キリのいいところまで。
そう思って休憩時間を潰してしまう。
それはダメなことなのだとここに来て初めて知った。
休む時は休む。集中する時は集中する。
そのメリハリを付けられるようにならなくては行けない。
それが今の私の課題だ。
今日も私は作業所でその努力をしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます