第5話 フラッシュバック
かおるの他に、
耐えることに特化した狂犬きょうけん20代後半 女だが男のような性格。主人格であるさおりを愛している
龍魅たつみ 私たち人格のリーダー 23歳 男
何かあった時は話し合いをし、それを決断するまとめ役を受けおっている
花はな 最近でた人格。 年齢不詳 女
鬱やそれに関することに対応をするという役割を持っている
が登場します。
Rくんと喧嘩をした。
それは些細なことだった。
私が話し合いの時黙ってしまうこと。
それをどうしてなのかを聞かれたのだ。
「殴られるから....」
と、私は素直に答えた。
その瞬間だった。
目の前が真っ暗になる。
そして母親が見えた。
私は泣いてRくんに助けを求めるが声が聞こえなくなっていく。
Rくんが遠のいていく。
そう思えば思うほど怖さが増していった。
怖い、怖い、怖い!!!
遂に目の前が真っ暗になった。
母は私の方に近づいてくる。
(辞めて!こないで!!)
その声は届かない。口にも出せない。
次の瞬間殴られた。
一瞬何が起こったのか分からなかった。
痛みだけがジンジンと私の頬に響いてくる。
「痛い!!」
私は思わずそう叫ぶ。
でも母の手は止まらない。
また殴られた。
「やめて!ごめんなさい!!」
何が悪いかも分からない。
でも母は私を何度も何度も殴る。
顔を両手で覆った。
「痛い!痛い!ごめんなさい!ごめんなさい!」
私は叫ぶことしができない。
何も聞こえない。
Rくんの声も。
聞こえるのは私の声だけだった。
母は無表情だった。
何度も何度も殴る。
その時だった。
意識が遠のいて、誰かに抱きしめられた。
それからしばらくして、私は意識を失った....。
何が起こってるんだ?
あたし、狂犬はいつも通り過ごしていた。
チビの様子をみたり龍魅と一緒に見回りに行ったり。
でも何かがおかしい。
直感でそう思った私は表を見るため部屋へ急いだ。
そこではかおるが「痛い、ごめんなさい」と叫びながら泣きじゃくっていた。
急いで花を呼びにいく。
「かおるがおかしい。お前がみろ」
その言葉に花はハッとした様な顔をしてあたしに着いてきた。
「フラッシュバックしてるんだと思います。」
そう花が言った。
「分かった。あたしが変わる。お前が面倒を見ろ」
「わかりました。」
かおるを突き落とし、あたしが表へと出る。
この感覚は不思議な感覚だから言葉には出来ない。
ただ表に出るとしか言えない。
景色が変わる。
深呼吸をした。
そこには心配そうに電話越しに話すRくんが居た。
「なんの話しをしていた?どんな状況だ?」
「かおるとどうして黙ってしまうのかって話をしてた。そしたら急に叫び出した」
そう言われ、自分で地雷を踏んだんだとあたしは直ぐに理解した。
「わかった。かおるはフラッシュバックをしてるらしい、しばらく出れない」
「わかってる」
そこからは普通にRくんと話をした。
Rくんは不思議なやつだ。
あたし達人格がいて、かおるが人格であることを理解した上で一年以上付き合っている。
また6歳も年下何にも関わらず、かおると結婚することを決めている。
まぁ別れなければだが。
「かおるの様子は?」
「中で叫びまくってる。花が対処してる」
「そっか。了解。」
「しばらく出れないかもな、大丈夫か?」
「お前そんなこと心配してくれんの?笑
大丈夫だよ、いつでも待ってる」
あたしから見たら変なやつだ。
でも悪いやつじゃない。
今日からこいつと話す日々が続くだろう。
あたしはなんとなくだかそう思っていた。
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