第200話 食料?良し

 悠宇とちか。完全にサバイバル中――?だが。2人に緊迫感などは全くなく。むしろ今は食べ物を見つけたことにより。先ほど以上にテンションの上がっている2人。今は見つけた実の前まで移動した2人だった。

 もしここで奇襲。生き物がもし居た場合簡単にやられてしまうほど無防備な2人だったが。幸いにもこのあたりに生き物はいなかった。

 

「先輩。これ――食べれますかね?」


 小さなリンゴみたいな実を見つつ。ちかが悠宇に聞く。近くに来るとホント小さなリンゴ。おいしそうに見えていた。


「わからん。見た目は――」

「「リンゴ」」


 完全に目の前にある小さな実がリンゴのミニバージョンと思っている2人。確かにおいしそうではあるが――こちらの世界の食べ物をほとんど知らない悠宇とちか。そう簡単に手に取ることはできなかったが――でも水分または食料が欲しい今は勝負に出ようと2人とも考えが一致していた。


「小さいがな。いけそうだよな?」

「はい。とりあえず認識は一致してますね。って、先輩」

「うん?」

「これ――焼いてみましょうよ。生は危ないかもですが。焼けばですよ。火を通せば何とかなるかもです。それにリンゴなら焼きリンゴがあります。そして私たちは今火を持っていますし。丘のところに戻ればしっかりした火があります」


 ちか。お腹は空いていないと先ほど言っていたが。やはり食べれそうなものを見ると、お腹が空き出していた。

 そしてこれは余計なことだが。悠宇たちは向こうの世界からこちらに居た時は、身体がちょっとついてこなかった。慣れていないこともあり。お腹があまり空いていなかったが。こちらの世界にそこそこ居たことにより。身体の方も適応してきていたのだが――それはまあ悠宇たちが気が付くことはない。そこまで気にしなくていいことである。

 さらに余談だが。悠宇たちの世界に焼く1日ほど滞在していたシェアト。今は何をしているのか。多分また閉じ込められてる。監視されているかもだが――シェアトも悠宇たちの世界には対応したどちらでも普通――まあ食欲に関してだけだが。とにかく適応したのだった。これも本人が気が付くことはに事だが――。


「なるほど。松明もそろそろ限界に近付いてきているし。この実持てるだけ持って行くか」

「はい!ちょうどいいところに大きな葉っぱもありますし」


 それから悠宇とちかは近くにあったリンゴ?らしきものをとりあえず収穫。そして小川の水でさっと洗い。ちかが近くで見つけた大きな葉っぱを何枚かこちらも取り。リンゴ?みたいなものを包み。元居た丘の方へと2人は戻ったのだった。

 幸い松明の火も、帰りの目印。焚火の方も少し坂道を登って先が見えればちゃんと火は付いていたので、悠宇とちかは戻ることにまず問題はなかった。

 ホント事が上手く進んでいる2人だった。

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