第196話 次のミッション

「っか、火は一段落したが。どっかに水流れてないかなー。手洗いたいわ。っかすげー鉄臭いな。まあそれは仕方ないか。ずっと鉄持っていたし」


 ちかと共に自分が付けた火をぼーっと見ていた悠宇は、ふと、自分の手を見て言った。よく見てみると、火をつけるのに頑張った悠宇の手。なかなかすごいことになっている。頑張った証といえば証なのだが――犬釘をずっと持っていたからか。錆び?なのかとにかく悠宇の手はかなり汚れていた。


「あー、私も洗いたいですね。ちょっと近く見てきます?」


 ちなみに木や枯れ葉を運んだりしたちかもそこそこ手には砂やらが付いていた。悠宇もちかの手を見つつ。とりあえず水は探した方がよさそうだな。と思いつつ少し考えて――。


「ちょっと探すしか――って、そうか。ちか、ちか」

「はい?」


 何か思いついたらしく悠宇がちかを呼ぶ。


「ちょっと線路出すから。現金化してくれ」

「えっ?」

「再度ボロ布使って松明作ってみようと思って」

「あー、松明ですか。巾着袋?を巻く的な?」

「そうそう」


 またまた思い付きで次の行動を開始した悠宇たち。

 今度は、また先ほどと同じく悠宇が適当に線路を出して、そのレール部分。まあ正確に言えば短いと単なる鉄の塊なので、それをお金にちかが変える。そうするとボロ布で作られた巾着袋とお金が手に入る。これは先ほどすでに確認済みなのでスムーズに行われた。

 そして今回はその作業を数回繰り返してから少し太め。バットよし少し小さいくらいの木を近くで悠宇が見つけてきて、その片方にボロ布を巻く巻く。すぐに燃えないようになるかは、わからなかったが。ボロ布を巻く際に近くにあったツルも入れる悠宇。ツルをボロ布と混ぜ込むようにしていく。

 そして巾着袋なので、口を占めるための紐もちょうどあるので、その紐でしっかりと木にボロ布、ツルを混ぜ込んだものを縛っていくと――木の先にそこそこな大きさになった丸?楕円形?のボロ布とツルやらやらのぐるぐる巻きが完成した。

 ちなみに悠宇が松明を作ってる間。ちかは悠宇が先ほど出した枕木を重かったが1人で焚火の近くに移動させて――すぐに燃やせるように準備し。さらに近くの草や木々を集めて――ということをしていた。

 この2人、本当にでサバイバル?を始めるつもりなのかもしれない。というか、2人しかいないため周りの評価が今のと事一切ないため2人は気が付いていないが。普通に考えて順調すぎだ。焚火にしても松明にしてもほぼ失敗なく進んでいる。


「よし」


 それから少しして、安定している焚火の中にボロ布やらやらを巻いた木の棒を悠宇が入れると――ボロ布がすぐに燃えだし。そのあとは多分ツルや。悠宇が追加で刺したりした枝に火が移っていく。はじめはくすぶっている感じだったが焚火の炎がしっかりしているからか。しばらく焚火の上に松明をかざしているとボロ布を巻いた当たりにしっかりと火が灯った。


「おお、これ長時間は無理かもだけど。いけそうだな」


 松明に火がちゃんとついたことを悠宇は確認すると、立ち上がった。

 次の行動開始である。

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