第189話 異世界デートはサバイバル?
線路のそばを歩いて実りの町へと向かっていた悠宇とちか。
現在は少し前に、ちかが見つけた丘の上を目指して少し上り坂を歩いているところ。山道というほどではないが。それでも先ほどまでの基本へ平坦な道――そもそも線路がなければ道なき道だったのが――とにかく、先ほどまでと違い。上り道となっていた。
「これ地味にきつい坂ですね」
息こそ上がっていないが緩やかに続く上り坂にちかが少しだけ辛そうになっていた。そもそもこの丘までも歩いてきているので、疲れがないわけではないので普通といえば普通の反応だ。
「緩やか――と言えば緩やかだけど。向こうから見て居た感じより長く見えるな。もしかして周りに何もないから小さく見えていたというか。近く見えていたのかな?まあ周りが何もない広大な草原だしな」
一方の悠宇はそこまで疲れた様子はなく。普通に歩いている。
「ですよね。てっぺんが見えているので近そうに見えましたが。なんか近くにきたらーですよね。」
「ああ。でももうすぐだぞ。てっぺん」
「はーい。って、今更ですが。山より川とかある方向探した方が良かったですかね?丘の上に水って――ない気が……あははー」
「まあそれは微妙だな。でもまあとりあえず来たんだし。頂上まで行こう。なんかあるかもだし」
「頑張ります」
良きコンビというべきか。この2人自然と協力し合いながら移動ができるため。基本2人だからといって、変な気遣いなどもなく。普通に楽しく移動していたため。なんやかんやと話しているうちに、悠宇とちかは目指していた丘の頂上へと到着したのだった。 そこは大きな岩が1つ2つ。とあり。その周りにもいくつかの大小の岩。石がある場所だった。
ちなみに水はなかった。
でも休むにはなかなか良さそうな場所だった。岩がせり出しているので今は全く問題ないが。多少の雨ならしのげそうな場所だった。
「意外と――休めそうな場所ですね?」
「だな。洞窟――とかではないけど。岩や石で囲まれているし。ちょうど屋根みたいに岩がなっているし。なんかいい感じに小さい石とかもあるから座れそうだし。っか、岩にもたれれる良い角度だな。あれ?マジでここいいところじゃん」
悠宇は一番大きな岩を触りながら言う。
「ですよね。さすが私。いいところ見つけました」
「だな。さすが」
「もっと褒めてください」
そして何故か自慢げなちか。先ほどまで丘のてっぺん目指すのはミスった――みたいな雰囲気だったのはどこへやら。ちなみに悠宇はそのことに気が付いていたが。ちかがご機嫌そうだったので、とくに触れなかった。
という悠宇の判断もあってか。ちか完全に今悠宇と2人ということを楽しんでいるのだった。
「はははっ。っか、マジで暗くなってきたし。ここで休むか」
悠宇がそう言いながら腰を下ろすと。隣にご機嫌のちかも座った。
この2人――サバイバル?になりかけているが。今のところかなり上手くいっているのだった。
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