第187話 気が付いた ◆
「あれ?えっと――って、ちょっと待って。悠宇いないじゃん。って、ちかも居ないわよ?どこ行ったの?」
シェアトの少し戸惑った声があたりに響く。
「なんじゃと?」
「あっ、そーいや姿が――」
「もしかして機関車にすら乗ってなかった?そういえば姿見なかったような――えっ?」
そしてそれに続くように近くに居たガクとアクもあたりを見つつつぶやいた。
これは悠宇とちかが丘を見つける少し前の事。
実りの町に無事に帰って来たガクたちは町に残った人たちに出迎えられていたのだが――そんな中。まずシェアトが悠宇とちかのことを思い出した。というか移動中ずっとガクと話していたため、本当に今、2人が居ないことに気が付いたシェアトだった。
そしてシェアトの言葉でガクもあたりを見回し。気が付いた。
また、機関車の作りが気になり見ていたアクも反応し。気が付いた。
そして――唯一気が付いていた海楓はというと。
「そういえば私自然と運転任されて――悠宇たちどこかに乗ってるのかと思ってたけど――居ないね?」
自分は突然の運転でいっぱいいっぱいだったオーラを出していたが――。
「――海楓。なんかあまり驚いてないというか――もしかして気が付いてた?」
さすがに海楓の答えはすぐシェアトに見抜かれたのだったが――海楓。基本運の良い子である。
「あっ!?も、も、もしかしてわしらが勝手に触ったから」
「勝手に機関車触っちまって、海楓殿を困らせてたのか!」
「ってか、悠宇殿たちを置いてきたのは本当か?」
「なんということをわしたちは――どえらいことを――」
「どうすんじゃよ」
シェアトと海楓の周りにたまたま機関車を動かした張本人たちが居たらしく。そんな会話が聞こえて来て――。
「あれお前たちが勝手に動かしたのか!」
話を聞いたガクも反応し。男性陣に確認をした
「出来心で――」
「つい」
「何をしておるんじゃ。つまり――この者たちが勝手に動かしだして2人はまだ乗っていなかった――」
ガクが叱るとペコペコ謝りだすお爺ちゃんたちの一部、その状況に気が付いた周りの人も集まって来て。
気が付けば、勝手に機関車を動かしだしたお爺ちゃんたちが怒られ――そして、お爺ちゃんたちのミスで、海楓を慌てさせて、気が付いたら悠宇とちかを置いてきてしまった。
そのあとは迅速に皆が動き出して、急いで悠宇とちかを迎えに行こうということになり。再度出発するために食料などの準備をするようにガクが命令を出したので、あたりはバタバタとし出したのだった。
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