第169話 昔昔あるところに――転生者8 ◆

「――うん?なんだ?なんか――まぶしいぞ?っか――なんか視線?敵?いや。そんなはずは――」


 ちょっと長めの睡眠から目覚めたわがままエロガキ転生者。『確か地下室に居たはずなのになんでまぶしい?あと誰かに見られている気がする――』などと思いながら身体を起こすところだった。


「……なっ!?マジか!?超絶美少女じゃん!」


 そして起きるなり自分の作ったカプセル内に気が付き声をあげた。

 自分の横にあったカプセル内には成人女性。何も身に着ける物はなく裸の女性。見た目は人型。しかしわがままエロガキ転生者のイメージ内にあった羽。妖精のような姿をしており。あとはこれまたわがままエロガキ転生者のご希望。大きな胸に大きなお尻を持った――こんな言い方をすると失礼だろうが。ふわふわ自分の羽で妖精なら飛べるかもしれないが。今わがままエロガキ転生者の前のカプセル内に居る女性。多分――精霊?は飛ぶのが大変そう。羽は小さいが身体が大きい――と、とにかく。カプセル内にわがままエロガキ転生者が望んでいた女性が入っていたのだった。

 ちなみにわがままエロガキ転生はあまりに希望通りの女性が入っていたため興奮してカプセルに張り付き。上から下まで眺めているところだが。カプセル内の女性はというと『こいつ……とにかく○す。まず○す。早くここから出せ』といった、とってもとってもそれはそれは普通の人ならその視線に気が付けば後ずさり。即逃げ出すだろう状況だったのが――まあわがままエロガキ転生者には全く通じていなかった。ある意味すごい。

 

「やべー。やべーぞ。待てよ。これ――このまま保存してー何とかなんねーか?あっ

。このカプセル内なら時間が進まないとか――って、それは無理なのかよ。じゃあ100年や1000年で1歳分くらいしか年とらねえようにしちまえばいいか。俺完璧。俺もまだまだ生きるだろうからな」

 

 そして興奮したまま何やらまた装置をいじったりするのだった。ホント無駄なことには迅速な行動をするわがままエロガキ転生者だった。

 それから再度一通り装置をいじった後。わがままエロガキ転生者は、ずっと自分を睨み続けていたカプセル内の女性を改めてちゃんと見た。そして女性の視線は気に留めることなく話し出した。


「――お前が精霊?なんかはどうでもいい。とりあえず俺ヤバい。完璧だろ。これからお前は俺の奴隷だ。まずはこの国の為俺のために後継者を産んでもらわないとな。俺とお前ならそれはそれは良い子供が産まれるだろう。間違いない」


 普通の人ならカプセル内からあふれ出ている殺気に嫌でも即気が付くが。わがままエロガキ転生者は全く気が付いていない。いや、気が付いている――かもしれないが。むしろ喜んでいるというべきか。敵意と感じていないというか――とにかくわがままエロガキ転生者はおかしい。である。


 カプセル内の女性が何もできないことを知っているわがままエロガキ転生者はそれからしばらく鑑賞会のち。カプセル内から女性を出したのだった。

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