第165話 昔昔あるところに――転生者4 ◆
女性との関係の数だけがどんどん増える転生者の魔王。
やっとというべきか。関係数が相当な数になった頃。さすがに転生者の魔王は自分との力の差に――。
「なんで俺のところに来るのはブスばかりなんだよ。もっとスタイルも良くてよ。出るところ出てるやつ。そうだよ胸あってよ。ケツもデカい奴がなんで来ないんだよ。おかしいだろうが!どうなってんだよ俺は魔王だぞ?なんで魔王と子供作りたがる美女は来ないんだよ。変なモンスター見たいや奴ばかり来やがって。せめてサキュバスだったか?ああいうやつくらい来いよ。俺を誘惑しに来いよ!なんで来ないんだよ!」
……全くわかってなかった。
もう単なるわがままエロガキレベルの転生者の魔王。ちなみにもう周りがすっからかんレベルで離れていっているので、魔王ではなく。単なる転生者。わがままエロガキ転生者と言った方がいいかもしれないが――。
ちなみにこの頃のわがままエロガキ転生者はすでにエーテル域各地を巡り終えた状態で、気が付けばなんか金だけめっちゃ持っているわがままエロガキ転生者だったりする。
また先ほど本人が言っていたが。さすがにエーテル域の人々もルイ・ノグモという時代は終わった。彼は変わってしまったという話を耳にして、気が付けば単にお金に飛びついてきているだけの女性と関係を持つわがままエロガキ転生者となっていたりする。
それに気が付けばお金を持ってるだけで、身なりは雑になっていたこともあり。今彼の姿を見てもルイ・ノグモと気が付く者はいないだろう。もしかすると側近レベル。よく顔を合わせていた者が気が付くか気が付かないレベルだったりする。
ということで、どんどん持ち金を減らしているわがままエロガキ転生者。さすがにそろそろお金も底をつくかもしれないという時だった。とある町にやって来た時のこと――。
「なあなあ知ってるか。この先。山超えたところにあるなんだ。マナ域?」
「あー、マナ域ってことはレオ帝国のことだろ?」
「そうだそうだ。レオ帝国。まあそのマナ域のどこの場所かは忘れたが。どえらいべっぴんの精霊?いや――妖精だったか?とにかく。精霊やら妖精やら言われるくらいの聖女様が居るんだとよ」
「精霊って目に見えないんじゃねえか?まあ聖女?ってのは、まあ別の国には居るみたいな話は――だが。」
「そんな難しいこと俺が知るかよ。って、早いとこマナ域。レオ帝国攻めておけば、俺もそんな美人と結婚――」
「いやいやブスのお前には無理だろ」
「なんだと!?」
「やるか?」
「――お客さん。騒ぐなら出て行ってくれ」
「「――すまん」」
通りに面したお店で食事をしつつ話している男性らの話を聞いたのだった。
ちなみに何やら話していた男性たちは大きなフライパン片手に注意しに来たお店の人を見るなり。大人しく食事を続けたのだった――。
でだ。
そんなところで話を耳にしてしまったわがままエロガキ転生者はというと――。
「そうじゃないか。別にこの国の奴じゃなくていいじゃん。他の国行けばいいじゃん。そっちにかわいい子――って、精霊か。いいないいな。魔王の俺に相応しい相手だろ。よし。行くか」
こういう時に限って迅速に行動するのだった。
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