第156話 昔昔あるところに魔王が ◆

 これはどっかからポーン!と変態チート爺がこの地。この世界へと現れる数百年ほど前の話である。

 この頃から隣り合う3つの国があったこの地域。現在の普通域のdsa国やマナ域のレオ帝国。エーテル域のsix国。この時はまだ各地で名前が違うところもあったが。でもこの時代から大まかな形はすでに出来ていた。

 

 そして、今のところは平和な日々が各地で続いていた――と、言いたいところだが。この地域はちょくちょくおかしなことが起こる地域だった。

 この頃のこの地域。特にエーテル域とマナ域の境にあった現在のヒメルヴアールハイトとなる近くでまたまた何か起こっていたのだ。

 というか、ヒメルヴアールハイトとなる地は本当に呪われているのか。はたまた変な人が集まってしまうのか――とにかくこの時代では魔族の力が今と比べて強い時代だった。

 現在この世界のなんやこれやに引き込まれつつある悠宇たちはまだ接触はしていないが。この地域には魔族と呼ばれる人も住んでいる。

 現在では各地に溶け込んでいる場合もあったが。この時はまだ魔族は魔族。人間は人間といった感じで生活の場も違った。

 まあそんな中でも共に――と、いう考えを持つ者もいて――なのだが。この時。この時代でちょっとした面倒なが一時的にこの世界にポンと現れたことがあった。


 あー、あの変態チート爺がこの時代にもどういう訳かやって来ていたのか。と、思った方。残念。これはあの変態――以下省略が珍しくほとんど関わっていない(全部とは言ってない)出来事である。


 ――ポン!とこの地に現れるのは、何もあの変態チート爺だけのことではない。確率としてはかなり。それはそれは大変低いことなので数百年。数千年に一度。またはこちらから呼び寄せる人が居ない限りであるが――とにかくこの時代にはポン!と。こちらの世界に現れた奴が居たのだった。


 基本魔族の生活している土地はエーテル域。現在のsix国がメインだった。そして一時期はこの地も平穏で良き時代が流れることもあったが。

 

 不老不死。


 というものはこの世にはない。というか、悠宇たちの生きている席にも今のシェアトたちが生きている世にもない。

 生き物はいつかは皆寿命を迎える。

 ごくごく稀におかしな変態チート爺みたいなのが現れることもあるかもしれないが。今のところ変態――以下省略。は生まれていない。現れていなかったが――。

 とにかく、ずっと生き続けるということはない。


 そのため各国のトップが変われば平穏な時代が急に終わることもあった。これも時には時代が変わっても平穏が続くこともあったが。このエーテル域ではなかなか平穏が続くことはなかった。

 一時期。人間を夫とし。ちょっと甘々?な雰囲気を出し。それが周りにも良い効果を――と国をまとめた王。この場では魔王が居たのだが。 

 それはもう過去の話。

 そしてこの地はどうも血の気が多い魔族が集まることが多いのか。何度と戦いになり。あの頃の甘々の雰囲気を出す魔王の血筋は途絶えていた。


 そんなあるときだ。


 力こそすべて!という2が誕生した。

 魔王が誕生した。それだけならまだマシだったかもしれないが。本当に厄介なことになったのは、そのあと。魔王の息子が生まれてからだった。その息子はそれはそれは面倒な。そして厄介な魔王の子だった。

 本人以外は普通の魔王の子。後々は父の跡を継ぐもの。と思っていたが――この魔王の子。実はだった。

 もちろん周りはそんなことを知らないし。本人も明かすことは生涯なかったのだが――この転生者。


 国なんて知らない。

 自分が良ければすべてよし。

 俺が言うことに間違いはない。

 とか言う輩だったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る