第133話 事前――?確認
「――というわけで、シェアトだけでも預かってくれないか?」
「ちょちょ。えっ?どういう状況というか。先輩なんで――って、ちょっと待ってください」
夜中に後輩の家へと押し掛ける悠宇たち。
正確に言うとまだ建物の前だが――とにかく現在悠宇たちはちかの家の前へと来ていた。
本当はインターホンを押して――の方が早いが。今まで悠宇を室内へと入れることがなかったちかが。シェアトを連れてきた――あとおまけは連れて帰るが。少しの間だけうるさいのも一緒に居るかも――と、言う状況ですんなりOKを出してくれるとは思っていなかったので、ちかの建物の前で一応電話をしているところだった。
ちなみに悠宇の後ろでは獅子がシェアトに質問攻めをしているのだが――。
「どこの国の人?」
「悠宇に何も答えないように言われてるわ」
「大丈夫大丈夫。だから俺も仲間仲間」
「敵って聞いたわ」
「敵じゃねぇー!ってか、おとんの事なんていいから」
「ところで――そのおとんって何?悠宇の事なの」
「そうだな。おとんはおとんだ」
「?」
「おとんはな、おとんで俺の家来だ」
「――?」
一応会話は出来ているというのか。ここに来るまでも獅子がしつこくシェアトにいろいろ聞いていたが悠宇が答えなくていいとシェアトに言うと。悠宇のことはしっかりと信頼しているシェアトは悠宇の言うことをしっかり守り。獅子の相手はしていなかったので。主に獅子が話している。騒いでいるだけ――でもあった。
今ここで誰か人が通れば騒いでいる学生――とかいう風に見られるだろう。
とにかく、現状。悠宇はちかに連絡。その後ろでシェアトと獅子が話しているという――まあそんな状況を聞かされたちかはというと――。
「待ってください。その状況的に――今は無理と言いますか――」
こちらはこちらで騒いで?いた。
「いや、ホントシェアトをこのままは――だし。俺の家へあの状況だしさ。そもそも邪魔なのが居るから――ちかにとりあえずシェアトを――」
「いや私の家なんて――散らかっている。って、えっとその――どうしよう……?」
悠宇と一応電話をしているちかは何故かかなり焦っている。
話している悠宇も少し違和感を覚えるレベルで焦っているのがまるわかりの状況だった。
しかし悠宇はいきなりのことと、そして電話の初めにお風呂に入っていたことを聞いていたので、多分ラフすぎる姿でなんやかんやで慌てているんだろうな――などと思いつつも。頼める場所がここしかなかったため。そのまま無理を言い続けたのだった。
「ちか、無理は承知でさ。今だけシェアトをとりあえず預かって――というか。このままだとちかの家の前で獅子が騒ぐことに――いや騒いでいるか」
「それめっちゃ迷惑――と言いますか。えっともちろん先輩のお願いだから――なんですが。うーん。片付けがさすがに――」
それからも少しの間悠宇とちかが電話で話――その悠宇の後ろではシェアトと獅子が何やら話す。主に獅子がずっと話すという光景が続き――。
結果としてどうなったかというと。
「――い、いいですか?絶対私の部屋へは立ち入り禁止ですからね」
「助かった。ありがとう。ちか」
「おお、ここがちかの家――ここはここで綺麗でいいところー」
悠宇とシェアトはちかの家の室内へと入ることに成功?した。ちかが折れたのだった。
ちなみに現在は悠宇とちか、シェアトの3人のみ。
獅子はというと――ちかがやっと室内へと入場を許可してくれた時の事。
「じゃ俺も――」
「獅子は帰れ」
何故かサラッとちかの部屋へと獅子も入ろうとしたところで悠宇が止めた。
「なんでだ!おとんだけハーレ……」
「帰れ」
しっかりとと止めて、そのままぶつぶつ言いつつも獅子は追い返されたのだった。
――まあ素直に帰る獅子ではないのだが――。
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