第132話 歴史は繰り返す? §

「こんなもんかしら?」

 

 ここはヒメルヴアールハイト内にあるとある建物。

 基本黒を基調とした部屋の中で黒いマントを付けた人影があった。

 黒いマントを付けた人影は机の上の広げた地図を見ている。

 地図にはいくつかの×印が付いている。


「あっ、このあたりも山火事で灰になったよねー。ふふふっ」


 そして地図を見つつ新たなバツ印を書いていく黒いマントを付けた人影。するとドアをノックする音が聞こえて来た。


「何?」

 

 黒いマントを付けた人影が返事をすると室内へと1人の同じく黒いマントを付けた男性――と、思われる人影が入って来た。


「ボス。予定通りあの英雄の痕跡は消えています。あとは英雄の影響が強かった地域のみとなっています」

「ホント隅々までしぶといわね。とりあえず急ぎなさい」

「はっ」

「あと、今の作業が完了したら。大々的に私たちの存在発表するから。みんなにも準備をと伝えておきなさい。遂に私たちの国――いや、世界よ」

「はっ!」

「これであのクズも――ふふふっ。さあ、急いで取り掛かりなさい」

「はい」


 黒いマントを付けた人影が男性に命令すると。男性はすぐに部屋を後にした。

 そのあと黒いマントを付けた人影は再度地図を見つつ。微笑んだのだった。


「――今度は私が――私の思うような国を――あのクズ以上の国を作って見せる――見てなさい」


 今はまだとある一室での事。

 しかしもうすぐ事は大きくなっていくのだが――それはまだもう少し先の話――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る