第108話 極秘事項
シェアトとちかの歩きながらの話し合いにより。今日のところはちかのところにシェアトが行くことになった――というところだったが。
「――あっ!」
唐突にちかが声をあげた。
ちかの顔には『やばい』と書かれているのがまるわかりといった様子だった。
「うん?どうしたのちか?」
突然のことだったので、シェアトが不思議そうにちかを見る。
「あーいや、なんでもなんいんだけど――」
「何かある顔なんだけど……」
「な、何もないから。でも――そういえば私の家――お客さんを呼べるような状況じゃ――」
「なんで?さっきちかは1人で暮らしているから部屋は開いているって」
「いやいや、その――荷物。うん。そういえばたくさん荷物が置いてあるから――って」
明らかに何かを隠しているちか。様子からしてシェアトを家に入れるのが問題あり。ということらしいが――シェアトはそれに気が付かずちかに質問を続けた。
「あ、えっと――海楓先輩」
「うん?何?」
そしてちかは助けを求めるように、いや、そういえば居た。といった感じで後ろを歩いていた海楓の方を見た。
ちなみに海楓は学校モードを解除していた。もうこのあたりなら大丈夫ということらしい。相変わらず切り替えは完璧だ。
「シェアトなんですが。海楓先輩のところで――」
「いいけど?まあ、それなら悠宇も呼んで――悠宇複数でいく?」
特に考える時間なく。答えた海楓はそのまま悠宇の方をちょっとニヤッとした表情をしながら見て話しかけた。
「海楓は何を言っているのか」
もちろんそんな海楓の表情に悠宇は気が付いていたし。海楓がろくでもないことを考えているのはすぐに分かった。
「だから、次期お姫様と子供作って主人公路線でしょ?ついでに私のルートも――って」
「本当にろくでもない事しか考えてなかったと」
「――なっ!?って、海楓先輩も何言ってるんですか!」
悠宇が呆れながら返事をすると、少し遅れてちかが反応して、ぴったりと悠宇の隣に付けた。そんなちかの様子は大事なものを取られないようにする子供の用で海楓は微笑ましそうに見つつ。
「ちかちゃんも来たらいいじゃん。4人で――」
再度余計なことを言った。海楓今の状況をかなり楽しんでいる様子だ。
「海楓。黙れ」
「相変わらず怖くない悠宇っと」
「これが学校では聖女とか女神様と言われるとは――」
「でしょー」
「えっ海楓って女神様だったの!?ちょ、女神とか初めて見た!精霊よりレアじゃない。実在するとはわって、別世界?に居るのだからそりゃ話でしか――」
シェアトが女神様の言葉に反応して、海楓の近くへと移動する。
「いや、シェアト、それはな」
「そうそう私もちょっと別世界の女神でして――」
「海楓ものるな」
「悠宇先輩。この2人危険ですから近付くの禁止です」
「ちかは引っ張るな。荷物持ってるんだから」
それからはとりあえず海楓の家に向かって歩きつつ。しばらくは海楓がシェアトに自分は女神と嘘を話し――もちろん違うので、そのあと悠宇に訂正させられていたが――。
とにかくにぎやかに、4人は海楓の家へと到着したのだった。
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