第105話 お出かけ!12
通路側に並んだ空のお皿。
その中には茶碗やどんぶり。お寿司のお皿よりすこし大き目のお皿も積まれている。
そして箸やら、ワサビの空袋。空になった湯呑もある。
簡単に言えば回転寿司を満喫した4人である。
「美味しかったー」
朝ほどではないが。いや――同等かもしれないが。とりあえずそこそこの量。15皿程度のお寿司とサイドメニューをつまんだシェアトは席の背もたれにぐでーとのびている。
ちなみにシェアトはワサビやガリといったものもおいしく食べていたりする。特にこちらの料理が口に合わないということは全くないらしい。
ちなみに苦いのが少し苦手なのか。粉末のお茶。粉を入れすぎた時だけは何とも言えない表情をしていたりする。
しかし、最後に食べたスイーツ。ケーキでそれはリセットされたらしく。今は幸せそうな表情をしている。
「食べたな」
「いやー美味しいと食べちゃいますよ――はい」
「うんうん。美味しいものは我慢しちゃだめだと思うよ?」
一方の悠宇たちもシェアトにつられるようにいつも以上に食べていたりする。
というか、悠宇に関しては、初めにシェアトが頼んだサイドメニューが多く。お寿司よりサイドメニューを満喫した。という感じになっていたが。悠宇はそれはそれで満足していた。どうやら新しい発見があったみたいだ。
また海楓とちかはシェアトにいろいろおすすめする――という中で自分たちも食べていたので、まあ簡単に言えば食べすぎていたりする。特に――。
「――苦しい」
「なら何故ケーキを最後にいったか。ちかよ」
「いやだってー」
ちかは食べすぎたのか。小さな身体が悲鳴を上げる直前のような状況となっていた。
「いやだってー、目の前でおいしそうなもの食べていたら食べたくなるじゃないですか。それにスイーツは別腹です」
悠宇にもたれながら食べすぎた言い訳を言っていたりする。
「その割に食べすぎたオーラ全開だな。別腹に入ってなくないか?」
「入りましたよー。って、もう少し休みましょう。今動くのは――きついです」
「それは俺に言うことというか……でもまあシェアトも動く気配ないな。海楓は――もういつも通りか」
そもそも悠宇も満腹で今すぐに動く気はなかったが。一応周りを確認。シェアトもつぶれており。海楓は――満腹だろうが涼しい顔をしていた。
「うん?どうしたの?」
すると、悠宇の視線に気が付いた学校モードの海楓が声をかけてきたが。悠宇は『満腹でも演技が素晴らしいこと――』などと思いつつ。何もないというジェスチャーをしておいた。
食後はそのまま回転寿司の店内で雑談をしつつ休憩していた悠宇たちは、少ししてからお店を出た。
「ホント美味しいものいっぱいね」
満足そうにしながら再度あたりをキョロキョロ見つつ歩くシェアト。その後ろを付いていく形で悠宇たち3人が歩いていた。
「で、この後はどうするんだ?」
そして、再度荷物を持ちながら歩くことになった悠宇が3人に確認をする。
「あー、買い物は終わったから――他に必要なものは今のところ――よね」
「あと、シェアトをこっちで連れまわしていいんですかね?コールさんとか心配していたり――」
「大丈夫大丈夫。コールだもん」
「コールだもんが――何とも言えないのだが。って、でも一度家に戻った方がいいか」
すると、海楓とちかは一度家に帰る方向で話を始めた。ちなみに悠宇も一度戻った方がいい。杜若の方を確認した方がいい気がしていた。
なお、シェアトは全く自分の置かれている状況など気にしていない様子だったが――。
とりあえず、この後悠宇たちは荷物もあるということで、とりあえず悠宇の家へと向かい歩き出したのだった。
なお、悠宇たちがぶらぶらと町を歩いている間にあちら側ではいろいろ起きていた――そして、時がかなり進んでいるということは――まだ4人は知らない事である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます