第103話 お出かけ!11
どう見ても見た目は高校生――または中学生くらいのお姫様。
そんなお姫様が普通にアルコール類を注文しそうになったのは、もうそこそこ前の事である。
近くの席の人が『なんか学生がお酒を!?』見たいは表情で悠宇たちを見ることはあったが。幸いシェアトの見た目は外国人の子なので、多分メニューに書かれている内容がわからなかったのだろう。ということが自然と広まり騒ぎになることはなかった。
そんなこんながあった後。
「すごい!これ美味しいわ。魚にこんな食べ方があったのね。今度コールに教えましょう。お肉も――って、これなんでもご飯?の上に乗せればいいのよね。何でもできそうじゃない」
回転寿司のお店に入ってからの1回目の注文は、何故かすべてサイドメニューだったシェアト。
悠宇たちは初めてだろうし自由にさせてあげようということで、シェアトが頼んだ後に、自分たちは握り寿司や軍艦巻きなどを注文していた。
そして、シェアトの注文したものはどれも時間がかかるものだったので、先に悠宇たちが頼んだ寿司が出てきたのだが――それを見たシェアトがまたまた興味津々となり。気が付けば後から出てきたサイドメニューは悠宇の前に。シェアトはちゃんと回転寿司屋で寿司を食べているのが今である。
シェアト。自由と言えば大変自由にしている。
悠宇たちが頼んだものをひょいひょいと食べていっている。
「――ラーメンって、うまかったんだな」
一方。注文はしたが。寿司にありつけなかった悠宇はシェアトの頼んだサイドメニューを食べて。こちらはこちらで驚いていた。
「悠宇先輩は、お寿司屋さんのラーメンとか食べたことなかったんですか?」
そんな悠宇の呟くに驚いているのはちかである。
「なかったと思うな。普通にうまくて驚いている。天ぷらはまあ握りにもあるからクォリティはわかっていたが。ラーメンもすごいな」
「私は好きでちょくちょく頼んでますよ。って、悠宇先輩と来ていたと思うんですがね。なんで覚えていないのか――」
「それもそうか。引きこもりのちかだもんな。うんうん。俺が居ないと外食も――」
「ちょっとサラッと酷いこと言ってません?」
「過去に至っては事実だろ」
「そ、そんな事ないです」
「なんでそこで見栄を張るのか――」
「この――アナゴ。美味しいわ!」
悠宇とちかがちょっと過去のことで言い合っている間も次から次へと、シェアトの前には寿司が並んでいってた。
というか――。
「よかった。あっ、あと、ホタテもおいしいですよ」
「じゃあ食べてみる。これ一口サイズだからたくさん食べれていいわね」
「では、頼みますね」
学校モード。お淑やか?聖女様?の海楓がシェアトの接待ではないが。世話をしており。次々と寿司を頼み。2人で食べていた。
そしてよく見ていると、2貫乗って来る寿司はシェアトと分けているので――。
「――海楓。お前自分が食べたいの頼ませてるだろ」
「そんな事してませんよー」
悠宇の考え当たりである。
「……」
「海楓先輩。しっかりキャラ作ってますね」
「ここは確かに誰かと遭遇するかもだからな。って、まあすごい集中力というのか。ボロがなかなか出ない」
「ですね」
「って、海楓はなんで急に人が変わったのよ」
「変わってないですよ?」
「「「いやいやいや」」」
少し前からシェアトも海楓の様子は気になっており、聞いているが――もちろん認めない海楓に突っ込む3人だった。
とりあえず、回転寿司を楽しむ4人はそれからそこそこ高いお皿の山を作ることになるのだった。
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