第94話 お出かけ!5
ドリア、オムライス、ガレット、ビーフシチュー、サラダ2種、ワッフル2種類。あとケーキが4つ。
たくさんの料理がテーブルの上にあったのはすでに過去の話。
ドリアとガレット。サラダ1種類とケーキ2つがすでにテーブルの上から消えている。
「シェアトの食欲――すごいね……うん」
海楓が自分の飲み物を飲みながら感心していると。シェアトがオムライスを食べながら海楓に話しかけた。
「うん?みんなも食べていいわよ?ほら、悠宇もちかも。まあ食べないなら私が食べるけどー。うん。おいしい。今日はなんだかたくさん食べれるわ」
「あー、うん。ありがとうシェアト」
「ありがとう――って、あんな小さな身体のどこに……?」
悠宇とちかも自分の料理を食べ終えた後。目の前の光景に驚きつつ生返事をした。
実際。びっくりするくらいのスピードで料理がシェアトの身体の中へと消えていっている。
確かに一皿一皿の量がそこまで多くないと言えば多くないのだが。それにしてもちかとほぼほぼ同じ身体の大きさのシェアトの体内へと消える消える――。
そんなこんなで結局シェアトが1人でほぼほぼ食べると――。
「満腹ー苦しいー」
「「「でしょうね」」」
ぐでーっと椅子に座るシェアトが出来上がっていた。
なお、はっきりは見えないが。シェアトはお腹がポッコリという感じに悠宇やちかの方からもわかった。
まさかの食事量に悠宇たちは途中から完全に目が点。ほとんど会話もなくおいしそうに食べるシェアトを見ていた。
「いやー、久しぶりにお腹いっぱい食べたー。幸せー」
すると、お腹を触りながらシェアトがそんなことをつぶやいた。
その声を聞いた悠宇と、ちかはというと――。
「ねえねえ悠宇先輩。もしかして――シェアトって、ここ最近いろいろあってちゃんとしたもの食べれてなかった?」
「なるほど――そういう考えもできるのか」
それだけ厳しい生活だったのか――と、勝手に思いつつ2人でコソコソと話していた。のだが――。
「いつも周りがうるさくてたくさん食べれなかったんだよねー」
「「……」」
悠宇とちかの考えはどうやら違ったらしい。
ちょっとシェアトが可哀そう。という雰囲気が生まれだしていたが。そんな空気は一瞬で消えた。
現段階では正確なことはわからないが。シェアトはそこそこ地下で普通の生活を出来ていたらしい。
というか、シェアトの身体を見れば健康的というのはわかることだったりする。肌艶も良いシェアト。それは周りの人がシェアトを非常時でも甘やかしていた――という証拠だったりするのだが。そんなことに悠宇たちが気が付くことはなかった。
ちなみにシェアトの横に居る海楓はというと――。
「うわっ、すごい。パンパン」
「しばらく動けないよー満足満足」
「ポッコリだね」
シェアトのポッコリお腹を触りながら、シェアトと楽しそうに雑談をしているのだった。
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