第92話 お出かけ!4
「どれもおいしそうで選べない……えー、悩む!」
多分朝ごはん――を食べにやって来た悠宇たち。すでにシェアトの居た世界でそこそこの時間を過ごしていた悠宇たちは変な感じがしつつも。時間的には朝なので、駅前のお店でモーニング中だ。
ちなみにすでに悠宇、ちか、海楓の前には飲み物とトースト、またはサラダが並べられているが。シェアトだけはまだメニューとにらめっこをしている。
飲みものを頼んだらA、B、Cのどれかが付いてくるということは教えてあるのだが。どの料理も食べたいらしく。モーニングのセットともう1つ――と、いうところで今シェアトは悩んでいる。
先にモーニングだけを頼んでも良さそうだったが。どうやらモーニングの方も飲み物は紅茶と決めているらしいが。A、B、Cは決めれていない様子だが――。
「悠宇先輩食パン一口ください」
「なんで!?」
「こっちサラダだけですから」
「ちかが選んだんだよな?」
「先輩がパンを選んでいたからもらえるかと思いまして」
「なんでそう思えるんだよ」
なお、そんな悩んでいるシェアトの前では、悠宇とちかがそんなやり取りをしている。
テーブル席に案内された悠宇たちは、悠宇とちか、その正面にシェアトと海楓という並びで座っている。そのため悠宇と隣同士になっているちかが悠宇に近寄り悠宇のお皿からパンを奪おうとしていた。
――まるでシェアトに自分たちのことを見せつけるように――しかし、シェアトはメニューばかり見ていたのでほとんど悠宇たちのやり取りは見ていなかった。
「シェアト。食べたいの頼んだら?多分余っても悠宇が食べてくれるよ」
すると、海楓が悩むシェアトに声をかけた。
「ホント!?じゃあー」
「おい、海楓。なんか勝手な事言ってないか?」
「言ってないよ?」
「サラッと嘘いうな」
「――ちょっといいかしら?これとこれとこれと、これ――お願いできる?」
「シェアトはシェアトでサラッと注文しているし」
海楓の声がもちろん聞こえている悠宇はパンをちかに取られつつ。海楓の方に文句を言っていた。
すると、その間にシェアトはたまたま近くを通った店員さんを捕まえて、注文を終えていた。
ちなみにシェアトが海外の人だと店員さんも思ったのか。ちょっとシェアトがお嬢様。なんか命令?ではないが。召使の人に何かを頼むような。そんな雰囲気を少し出していたが。微笑ましそうに接客していたので――多分大丈夫だろうと悠宇は思っていた。
ちなみにシェアトに声をかけられた店員さんが厨房へと消えてから『やばっ。あの子めっちゃ可愛い。あと日本語めっちゃ上手!お姫様よ!姫姫――ガチの姫!』などと他のスタッフの人と盛り上がっていたのは悠宇たちは知らない事である。
それから料理が来ると――悠宇たちのテーブルはいっぱいになった。
「素晴らしいわ!」
シェアトは感動しながらすでに料理に手を付けだしている。
一方悠宇たちはというと――。
「おい、これ海楓が原因じゃないか?」
「えー」
「えー、じゃなくて、朝からなんだこれ?」
「えっと――モーニングが4つ。まあこれは普通ですよね」
「ああ、そこはわかる」
「それとドリア、オムライス。ガレット、ビーフシチュー。サラダ2種類。ワッフルがプレーンとチョコかけ。あとケーキが4つ……」
「ちか、説明ありがとう」
大量の料理に若干引いていた。
シェアトは店員さんにメニューを指さしつつ注文していたので、悠宇たちはシェアトが何を頼んだのかは知らなかったが。そのあと来るわ来るわと一気にテーブルの上が埋め尽くされたのだった。
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