第91話 お出かけ!3

 海楓に一時的に服を借りたシェアト。

 この後シェアトの買い物に行くことになったが今の時間はまだお店が開いていなかったので、海楓発案の『モーニングに行こう』ということになったところ。

 悠宇はこの目立つ3人とは――だったが。逃げることは許されず。今は3人で歩いているところである。


「ほへぇー。高い建物だね。って――もう何が何だかわからないんだけど――」


 初めて見るこちらの世界にシェアトは驚きっぱなしだ。

 どこの田舎から出てきたの?とでも周りの人に言われそうな驚きようだ。すでに見た目で目立っているのに、騒いでいるのでそこそこ――いや、かなりの視線を集めている。

 ちなみに悠宇の家を出てすぐは長閑な田園風景だったので『似たよなところなのね』などと言っていたが。信号機などはないらしく。初めて見る物があるとちょっとテンションが上がっていた。

 さらにしばらく歩いてからは、電車に乗ることになったのだが。そこからはさらにシェアトが驚きっぱなしだった。

 まず各機械類に驚き。そして人の多さにも驚き。一番シェアト驚いたのは――。


「すごいすごい!ケーキがたくさん。それに――何この料理の数!?」


 お店に着いてからだった。

 駅前にあったカフェへと入ると、落ち着いた内装をまずシェアトが褒め――と、思ったらだ。

 ちょうど入ってすぐにのところにショーケースがあり。そこにケーキが並んでいたのだが。それを見てシェアトが興奮した。

 どうやらまだ時間的にすべての種類が出ているわけではないらしく。空いているスペースもあったが。それでもシェアトから見たらすごい種類のケーキがあったらしく。席に着くまでに一通り騒いだのだった。

 なお、広めのテーブル席へと案内されてからもシェアトのテンションはハイだった。


「すごいすごい。これは――本?えっ?メニューにイラスト?うん?何々――?写真って言うの?これがこの商品ってこと?すごい!ちょっとくらい文字が読めなくても写真でわかるわ。これわかりやすいわね。って、どれも食べたい――おいしそうじゃない。うわー、クレープ。あっ、ワッフルも前は良く食べたなぁー。フルーツも付いていておいしそう……あっ、パンもいろいろあるのね。これは――オムライスかしら?」


 席に案内された際。まずテーブルとイスを褒めていたのだが。すぐにメニューに気が付き見だすと――それはそれは子供だった。

 ちなみにシェアトはこちらの文字がほぼほぼわかるらしい。それはそれで悠宇たちは驚きだったが。そういえば悠宇たちもシェアトの世界での文字が読めたので、そこまで気にしないことにした。

 そして、シェアトが話す言葉。それはどうやらちゃんと日本語だったらしく。周りの人にも伝わっている様子だった。『あの子かわいい。日本初めてなのかな?』『どこの国の子だろう?』『可愛すぎるな。っか日本語ペラペラ』『というか周りの女の子もめっちゃレベル高くね?どんな組み合わせだよ』コソコソとだが悠宇たちの周りの人が気にしているのが悠宇たちの耳にも届いていた。

 ちなみに悠宇は1人絶対場違いなところに居ると思いつつ椅子に座っていたのだった。

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