第48話 自称イケメン?

 現在の悠宇たちはガクたちの騒動?もめごとに協力することが海楓の一言で決定し。逃げることができない状態だ。


 すると、ガクが突然に向かって声をかけた。壁である。本当に壁。何もないところに向かって声をかけた。

 もちろん悠宇たち3人はガクがどこに話しかけている?という疑問を持ちつつガクが見ている方を見ると。

 ゆっくりと壁が動き。隙間ができた。

 どうやら悠宇たちがいた部屋にはまだ隠し扉があったらしく。ガクが声をかけるとほぼ同時に壁と思っていたところがゆっくりと開き。白いシャツに黒のズボンのぴしっとした服装。ガクたちとは何やら雰囲気が違う服装で、さらにガクたちと比べかなり白い肌をした黒髪のベリーショートの美男子?が出てきたのだった。

 

「そんなところに――」

「す、すごいですね。忍者みたい。って、すごく整った顔ってイケメンですね」

「うん。これこそ美少年だね。身体もすごいけど」


 悠宇たち3人はコールと呼ばれて出てきた人を見つつ小声でそんなことをつぶやく。というかつぶやかずにはいられなかった。見た目がすごかったからだ。


「話は聞いておりました」


 悠宇たちがいろいろと驚いていると、新たに場に加わったコールという人はどうやら壁の向こうで悠宇たちの今までの話を聞いていたらしく。ガクたち。そして悠宇たちに一礼をするとすぐに席へと座り会話に入ってきた。


「なら、話を進めよう」


 なおその後しばらくは、ガクにコールと呼ばれてやって来た美男子?を見たは、まずその整った顔立ちなどに目がいっていたので、話はほとんど聞き流しているような状態だった。

 何故ならコールがガクたちの方へと移動し座る際に全身をはっきり見ると、改めて身体の方に注目がいっていたからだ。

 何せ今現れたコールという人物。美男子?であり。そして筋肉もすごかったのだ。今まで高齢の人ばかりで基本筋肉ムキムキという人は居なかった。アクがそれに少し近いかもしれないが。でもそこまで筋肉は目立っていなかった。アクは少し周りの人より――という感じだったが。コールに関しては完全にマッチョ。服の上からも見ただけで筋肉がわかる状態。

 なのだが身体が筋肉で大きくではなく細い。細いのだが腕や足の肌が見えていたところはしっかりと主張している綺麗な筋肉という状況。

 美男子で細い身体だが筋肉もあり。またあの様子だと腹筋などもバキバキだろうと予想でき。またまた身長も高く。八頭身――かは不明だが。それに近い身長も持っている。

 そのため、今まで見たことない雰囲気の人物に、海楓とちかは話よりコールという新たな人物がまず気になっていたのだった。


「色白細マッチョ美少年?イケメン?じょ、情報が多いですね。モデルさん――いや、なんていうんですかね。もう別世界の人。あれ?ここ別世界。つまり――こういう人がたくさん?いやいや、マッチョ好きな人はやばそうな感じですね」


 現にちかがコールを見つつ小声で海楓にそんなことをつぶやいている。そしてそれに海楓も頷いていた。


「こいつはコールじゃ。先ほど話したシェアトの専属護衛じゃシェアトのことはすべてコールに任せている」


 ガクが悠宇たち3人に今現れたコールの説明を始めた。


「――お姫様以上に目立ちそう」


 ガクの言葉にぶつぶつと話していたちかがそのまま反応した。ちなみにその意見に悠宇たち全員が同意。小さくうなずくのだった。

 確かにコールの見た目は今この中でもダントツで良い。というか明らかに強そうなコール。コールが居れば敵が居ても無双状態では?と、思えるような状況だった。またホント雰囲気が別というか。むしろ悠宇たちに近い身なりだったこともあり。女性陣が興味を持ちそうな?雰囲気だから――いや、男女問わず興味を持つ見た目だ。目立たない方が難しいだろう。


「だね。目立っちゃうかもしれないけど。でもすごいね」

「はい。初めて見ましたよ。あのなんていうんですか?細マッチョ?でも腕とかの筋肉。太さは――細マッチョと言っていいのか。すごいですね。めっちゃ鍛えてそうです」

「うんうん。あとすごくきれいな肌。筋肉だよね」

「ですです。肌白いですよね。なんか不思議な雰囲気言いますか。世界が違う?とすごいですね」


 色白細マッチョ美少年?イケメン?の登場によりちかと海楓は小話が増えていた。本来は今その話は――という状況だ。もちろん2人の隣に居る悠宇も『注意した方がいいかな?』と、思い出していたのだが。

 そんな心配は無用だった。


「いやー、嬉しいですね。あっ、私はコールです。シェアト様の専属護衛をしています。で、海楓殿。ちか殿よろしければ私と一緒にトレーニングなどいかがでしょうか?久しぶりにこの身体を褒められまして、今ならお二人も私と同じようになるようにご協力いたします」

「「――えっ?」」


 海楓とちかの声が聞こえていたコールが目を輝かせながら自分の自己紹介そこそこに海楓とちかを誘い出したのだ。即話が脱線したというやつだ。

 もちろん急なことに海楓とちかも目が点になっていたが。悠宇もあっけに取られていた。ちなみに悠宇たちの正面では話していたガクも頭を抱え。アクはまた笑っていた。

 

「最近はほとんど人前に出れず。海楓殿やちか殿のように褒めてくれる人が居なかったので大変うれしいです。できればあと10回ほど褒めていただけないでしょうか?もちろんお礼としてお二人の体調管理を――」


 少しずつ海楓とちかに近寄るコール。さすがに2人は悠宇の方へと少し寄った。


「ゴホン。コール。コール。今はそのような時ではないわい。落ち着け」


 すると、呆れながらガクが口を挟みコールは元の位置に戻る。


「――失礼いたしました。なんせ久しぶりにこの身体を褒められまして。話したい衝動が――」

「はぁ。ベクと同じ匂いがするぞ。大丈夫か。ここの奴らは」


 コールの様子に少しガクがため息をつく。ガクもかなり大変な様子だ。

 ちなみにそんなガクのつぶやきにアクが大笑いをしていた。

 そんな様子を見て悠宇たちも、どうやらコールはなかなか面白い?お方らしい。と、そんなことを悠宇たちが思っていると。再度改めて話が始まった。


「すまん。わしの周りはまともじゃないやつがちょっと多くてな」

「おいおい、ガク。俺が真面目だぞ?」

「アク。黙っとれ」


 が、どうやらそこそここの先も話は脱線が続きそうだった。

 ガクが話し出すとアクが突っ込んだり。コールがシェアトのことに関して話す――かと思うと。再度自分の身体のことを紹介し出し。挙句の果てには『夢はみんなにイケメンマッチョと呼ばれたいんです。そしてシェアト様をお守りするのです』と、何やら語りだしたため。さすがにガクはコールを元の壁の向こうに戻し。爆笑していたアクの口には太い紐?を巻き付け。

 結果としてガクがこの後の事。悠宇には線路を。そして今の状況を知ってもらうためにと、町の事国の事。そして守っているシェアトのことを話したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る