第6話「作戦開始」

真夏の昼下がり

アスファルトを焦がす太陽


電信柱も火花を上げ

蜃気楼に世界はのまれていた


ガードレールは相変わらず錆びついていて

月は入道雲の頂点で我が物顔をする


僕らはフラッシュバックする幾重の夏の追憶を超え

背中を任せ合い合図を待った


ジリつく緊張感も

悪くない とそっと顔を合わせる


フォルスターに仕込んだリボルバーが

今か今かとくすぶっている


そして

オーバーなコールが響き渡る


アクセルを踏み込んで

全開でエンジンを鳴らし


炎天下を駆け抜ける


未だ知れぬ未来が心音を上げ

仲間と臨む景色は鮮やかで壮大だ


また夏が始まった

僕らの夏が始まった


幾多の修羅を超え

この世界に存在を示す


そんな一夏に僕らは染まる

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