第12話

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜


 柾國まさくにに会えない日が続き

 少しだけ残業していた時

 給湯スペースから話し声…

 ひよ子に懇願され、

 彼は駅まで送ることになった


 2人が会社を出るのを待ってから

 帰る支度をして、外に出ると



「今まで居たんだ?( ^֊^)」

 てつが話しかけて来た…



「帰ったんじゃなかったの?」



「実は待ってた…アミのこと

 最近 避けられてるみたいだけどね…」



「別に避けてた訳じゃ……」



 とは言ったものの…誘いは断れと

 まさくんに言われていたのもあって

 態度に出ていたのかもしれない…



「ごめんね…哲さん…」



「…もう……てっちゃんって

 呼んでくれないの?」


 

「…だって私たちは、もう…」



「俺は終わったなんて思ってないっ!!!」


 物陰でギュッと抱きしめられ


「てっ、哲さん…離して!…」


「この前、思い出してくれたんでしょ?」

 魅惑の低音と共に

 哲はアミの耳に かぶりついた


「……ぁっ…」



「ほら…声が出た…

 今ので シたくなったでしょ…」


 その言葉に 我に返り

 腕を振りほどいた



「また明日ね……」

 スタスタ(((((*´・ω・)



「ははっ…手強いな…(^∀^;)」



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 〜てつの恋愛事情〜


 2年前…

 取引先が集結した親睦会に参加


 この時の俺はフリーで

 取引先の集まりだし、

 男ばかりの飲み会だろうと

 女子の参加は期待してなかった


 見渡すと 目立たないところで

 チビチビ飲んでるアミを見つけた


 そこへ絡みに行った男がいて

 困っていたアミを助けたのがきっかけで

 ご飯に誘うようになった



 何度か会う中で、ある日…

 勇気を出して


「俺と付き合わない?」


「(*´~`)…ん~」


「俺じゃ、ダメ?」


「いや、違うの…

 私、年下と付き合ったことなくて…

 今の流行りにもうといし

 オマケに話も合わないかも…

 なんて(´▽`*)アハハ」


 会えばいつも…

 疲れてる俺を元気づけてくれる

 そんなアミに惹かれたんだ


「年の差なんて気にしないで…

 一緒に居られるだけでいいんだ…」



 俺たちは付き合うことになった



 *・゚・*:.。.*.。.:



 それからは…


 ガブッ…

「痛いっ♥」


「お尻〜!柔らか〜い♡」


 カプッ…

「痛いってばぁ(/ω\*)♥」


 愛すれば愛するほど…

 どんどん欲が出てくる


「っねぇ…ここに手をついて立って…っ…」


「んあっ…」



 喧嘩も ほとんどしたことなくて

 一緒に居るだけで

 毎日がホントに楽しくて幸せで…

 アミだけが俺を癒してくれた



 *・゚・*:.。.*.。.:



 付き合って1年が過ぎ

 ココ最近 元気がなかったアミに

 喜んでもらおうと

 ちょっと奮発した外食に出かけたある日…


 突然、アミからの別れ話


「え?…どうして?」


「もう、噛まれるのも嫌!

 痛いのも嫌なの…っ…

 好きな人、出来たから…ごめん…

 さようなら、てっちゃん…っ…」


「ちょ…アミ!待って…」



 ……今、何が起こったんだ?


 "行かないでっ!!!"

 "好きな人って、誰っ??"

 "噛むのは、もう…止めるからっ!!!"

 



 言葉が出てこない……


 どんどんアミが離れていく…


 手を伸ばしても届かなくて…


 

 呆然と立ち尽くし、

 その後、どうやって帰ったのか…

 今でも思い出せない



 *・゚・*:.。.*.。.:



 目の前から居なくなったアミ…

 愛しさだけが 増していった…

 日が経つにつれて

 何も手につかなくなって…



 そんな日々が続く中での

 TS商事と打ち合わせ…


 俺の様子を見て、

 ゆうさんが声をかけてくれた


「どうしました?体調悪そうですけど…」


 アミと別れたことを話した


「別れてもう、1ヶ月以上経つんです…

 忘れられなくて…(´▽`) ハハハッ

 俺の…どこがいけなかったのかなぁ…」


「えっ…別れたんですか?

 マジか…こんなあっさり上手くいく…?

 そっか…別れたんだ〜(´∀`*)ケラケラ」


「えっ?…」


「僕、アミさんに お話したんです!

 哲さんに 社長令嬢との

 縁談話があるって…」


「は?…縁談…?そんな話なんて…」


「もちろん、ありませんよ…」

 ニヤニヤした優さんが憎らしく見える…



「僕ね…前からアミさんを狙ってたんです…

 それなのに…哲さん…

 あとから来たくせに横取りするから…」


「横取り…?」


「別れたこと…

 もっと早く教えてくれたら

 良かったのに〜

 じゃあ、遠慮なく…ニヤッ( ¯▽¯ )」


 この時…別れた原因は

 優さんがアミに流した

 デマのせいだとわかった



 それから俺は TS商事の担当を外れた…



 後日、優さんはアミに告白し

 玉砕したことを風の噂で聞いた


『ざまぁ…』



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 離れてから1年…



 社長から呼ばれ

 まさに、"青天の霹靂"

 研修の話が舞い込む…


『ん?…これってアミのいる会社だよな?』


 ──「僕に行かせてください」──


 …即答だった


 もう会うことも

 難しいと思っていたから

 これは俺に与えられたチャンス…

 とにかく、ひよ子と手を組んだからには

 アミが俺の元に戻ってくれるように…

 手を尽くそう



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 相変わらず

 ひよ子は柾國まさくににベッタリで


 私はイライラしながら

 その様子を見て見ぬふり…


 しゅん

「先輩…最近のじんさん

 おかしくないですか?」


 ドキッΣ(⊙⊙)


「そ、そう?」



「今朝、フラフラ歩いて

 電柱に ぶつかりそうになってましたよ」



「………」


 BARで キスされて

 突き飛ばして帰ってきてしまい

 その後は、仁も私も気まずくて

 話すこともしていなかった



「仁さんと…何かありました?」

 そう聞かれて返事に困っていると



「俊、ちょっと来て…」

 仁が俊を連行していく



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 ここは、物品庫…


「俊、あのさ…」


 小声で俊に近づいて話しかけてくる仁


「やめてください、仁さん…

 こっち来ないでっ!

 俺…そういう趣味ないからっ

 ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ」


「何、勘違いしてんだよ!(´▽`*)アハハ…」


 物品庫にある物を手に取っては

 元の場所に戻す、

 少し落ち着きのない 仁がつぶやく…


「俺、アミに告ったんだ…」


「おぅ…そうでしたか…」


「無理やり キスもした…」



「……ぇ?……

 ダーーーーーーッ!!!!!

 な、何してるんですかっ!!!( °◽︎° ;)」



「だよなぁ…何してんだろ…俺…

 はぁ…(。´-д-)」



「仁さん……」


 かなりのダメージだな…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 事務所では

 嫌でも聞こえる ひよ子の

 "部長ぉぉ♥"呼びに…

 拒絶反応を起こすアミ…


(((*>_<)))ブルブル…鳥肌すごいっ…


 そういえば…

 明日は会社の飲み会かぁ…


 ブブッ…

 スマホが鳴った…


 "アミ、今晩ウチに来て…"

 彼からのメッセージ


「ん〜( ̄-  ̄ ) どうするかな〜」

 今まで ふざけ合ってた仁と

 口をきかないままという訳にはいかない…


 今晩まさくんに会って、話そう…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 まさくにの家…

 ご飯を食べて、テレビを観て

 お風呂に入って じゃれ合って…


 ベッドの中


 あんなに早かったのに…

 果てるまでの時間が

 どんどん更新されていき

 たくさん時間をかけて愛し合うことが

 できるようになった



 隠し事はしたくない…

 腕に包まりながら

 仁に告白されたことを話した


「仁と俊には、

 私たちの事 話しておきたいの…」


「…そうだな」


「てっちゃんにも…」


「てっ…ちゃん?…( ¯−¯ )」


「あ、哲さん…」

 元カレだということも 改めて話をした


「…タイミングを見て話するね」


「わかった…

 長く口止めさせて ごめんな…」


 いくら抱きしめても足りないほど

 私たちは互いに恋焦がれているみたいだ



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