この物語の登場人物、誰も嫌えない。

 まず、女装、という言葉が目に入っただけで、男女双方、一定数の方が離脱してしまうかもしれません。そういう言葉だとは思います。

 でも、それはすごく勿体ない。まず、その言葉にあまり引っかからずにぜひ読んでみて欲しいです。多くの人にとって、読むのを辞めるほうが難しいでしょう。

 本質は女装をしているということではなく、何か一つ、どうしても何とかしなくてはいけないものを、主人公だけではなく、他の登場人物もみんな抱えているということです。それらは多くの共感を呼ぶもので、敵も味方もありません。

 内面描写はとても切なく、感情を揺さぶられます。ところがそれだけではありません。偽魔女に少しずつ迫っていく様には好奇心を刺激され、謎解きとか、推理もののように、ついつい先へ先へと読み進めてしまいます。

 多くの人に読んで欲しいです。読まれるべき作品だと思います。
 一読者として、続きを楽しみにしております。

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