Magi Call～亡き師が遺した魔法を使ったら神の娘が婚約者に!?～

マジギレ授業

ダイアンは教室について授業を受けている。

「では魔術史Aの授業を行います

この授業では魔術が王国に与えた政治影響を勉強したいと思います

王国外の歴史に関しては魔術史Bでやるそうなので

そちらでよろしくお願いします

まず魔術の歴史の全体的な流れから

魔術の歴史は俯瞰してみるとこうなります」

黒板に講師が書き始める。

王国成立以前　　　　魔術以前、　遺物（アーティファクト）文明

主な出来事:情報過多により何が真実か分からないので不明

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旧王国発足～終焉　　【古式】全盛～衰退と共に旧王国から王国への再編

主な出来事:遺物（アーティファクト）文明終焉に伴う宗教の乱立

　　　　　【古式】魔術戦争により人類の9割以上が死亡、　文明の大幅な後退

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王国歴元年～100年　　　　近代魔術流派成立～王国魔術戦争

主な出来事:金の皿事件

　　　　　 旧王国を意識した宗教の禁止に伴う人心の荒廃による治安悪化

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王国歴100年～500年　　王国による【右道】擁立～魔王戦争勃発

主な出来事:戦争終結後近代魔術流派【恭順派】と【反逆派】に別れる

　　　　　 【フォーチュン家】と【始まりの12分家】の設立

　　　　 　 魔王討伐による王国内の戦力低下による治安悪化に伴う

　　　　　 各地への【右道】魔法使い派遣

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王国歴500年～1500年　【白右学園】成立～【右道】による他流派弾圧

主な出来事:貴族及び【右道】魔法使いへの徴収金発生

　　　　　 それによる【右道】の素行の低下による他流派弾圧

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王国歴1500年～2120年　魔術内乱勃発～【右道】内部分裂による革命未遂

主な出来事:他流派弾圧による不満が爆発し他流派の内乱発生

　　　　　 【ストロベリー家】陰謀事件

　　　　　 【マグニチュード家】クーデター未遂事件

　　　　　 【セーフ家】1兆G事件

　　　　　 【パッツィ家】陰謀事件

　　　　　 【ポッド家】毒茶事件

　　　　　 【フォークス家】王宮爆破事件

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王国歴2120年～現在　　調査機関による現状の把握～魔術改革

主な出来事:大いなる和解

　　　　　 ダミアン卿奥方殺害事件

「殺害!?」

講師が黒板にそこまで書くと飛び上がるダイアン。

「・・・どうかしましたか?　フォーチュン嬢」

「殺害って・・・」

「お父上に聞いてませんでした?」

「い、　いえ、　私が生まれて直ぐに亡くなったと・・・」

「教員さん、　ちょっと宜しいでしょうか?」

ナキリが挙手する。

「あ、　私、　ダイアン嬢の護衛を務めていますナキリと申します

素人質問で恐縮ですが

ダミアン卿の奥方殺害事件は犯罪史の方に当たると

私は愚考致しますが如何でしょうか?」

「否、　私はそうは思わない」

生徒の1人が立ち上がる。

「ダミアン卿の奥方を殺された事により

平民達を律する必要が有ると分かり【大いなる和解】で落ちた

【右道】の影響力が再び上がったんじゃないか

奥方が身を挺して【右道】の地位を元に戻した、　美談だと思う」

「「てめぇ出てけよ!!」」

講師とナキリが激昂する。

「は、　はい?」

「貴様に私の授業を受ける権利は無い!!　出ていけ!!」

「・・・・・私は【スワン家】の長男ですが?」

【右道】分家の一つだ。

「人が死んだ事を美談にするとか

最早魔法使いじゃなくて人として終わってるだろうが!!

教員さん!!　ハッキリ言ってこれは許し難い行為と思う!!

大変申し訳無いが抗議の為に一旦帰らせて貰おう!!」

「それが良い!!　私も申し訳無いが抗議はここで切らせて貰う!!

生徒諸君には悪いが自習!!」

講師が立ち去り、　ナキリはダイアンの手を掴んで教室を出た。

「ちょ、　歩けるから話して!!」

ダイアンの手を離すナキリ。

「帰るぞ」

「今日最後の授業無くなってから良いけども・・・

何でそこまで怒るの?」

「はぁ!?　アンタこそ自分（てめぇ）の母親が死んで美談とか言われて

何で怒らないんだよ!!」

「・・・・・正直ビックリ過ぎて話に付いて行けなかった」

「・・・ダイアン様の、　いやアンタの母親の死は有名だよ

寧ろ何で知らなかった・・・いや、　まぁ確かに

『ﾔｧ､ﾀﾞｲｱﾝｷﾐﾉｵｶｧｻﾝﾊｺﾛｻﾚﾀﾝﾀﾞﾖ!!』とか言わないだろうし」

「何よその声」

「ダミアン様の真似」

「似て無いわよ・・・でも何で殺されたの?」

「正確に言うと殺されたと言うか放置されたんだよ

産後に産後の肥立ちが悪くてね、　その状況で倒れて

放置されたんだよ」

「・・・・・え?　何でそうなったの?」

「何でそうなった?　さぁ・・・詳しい事は分からないけども」

「召使とかは何をしてたの?」

「あ・・・そこから（・・・・）知らないのか

まぁ詳しい事はダイアン様から聞くと良いよ

教えてくれるか分からないけどね」

「・・・・・何で怒ったの?」

「はぁ?」

ダイアンの言葉に対して若干の苛立ちを見せるナキリ。

「別にアンタが怒る事はないじゃない」

真顔になるナキリ。

「・・・・・真っ当な人間なら誰でも怒るだろうさ」

「・・・・・」

赤くなるダイアン。

「惚れるな鬱陶しい」

「だ、　誰が惚れるのよ、　私には【ゲッシュ】と言う人が」

「はいはい、　分かった分かった、　とりあえずダミアン様の所に戻るぞ」

「う、　うん・・・」