映画マニアの場合

映画っていうものは、何が要因なのかは分からないけど..........例え、万人受けしないつまらない映画であっても、まるで宗教のように、熱狂的なファンがいるもんなんだよ。


例えば、『死霊の盆踊り』や『イレイザー・ヘッド』...........とかね。


それと同じように、あの映画.........『サンクチュアリ』も、劇場公開されていないにも関わらず、今もなお熱狂的な人気を誇っているのさ。


まぁ、『サンクチュアリ』のバックストーリーを知れば、誰だってファンになるわな。


..........どんなバックストーリーかって?


その言葉を待ってたんだよ!!


まず..........『サンクチュアリ』という映画は、とある地方に伝わる怪異をモチーフにしたホラー映画らしい。


この映画を撮った監督の名は大黒清。


彼は、当時は新進気鋭の映画監督として知られていて、映画業界を引っ張る存在として期待されていたんだ。


それに、この映画には有名な俳優達が参加していて、大ヒット間違いなしだと思われていたんだが...........その大黒清が行方不明になるわ、主演女優が再起不能までの大怪我を負うわ、挙げ句の果てには、死者が出るわの、穏やかじゃないにも程があるエピソードが出てきたもんだから、最終的にはお蔵入りしたらしい。


..........そう!!まさに呪われた映画と言っても過言ではないのさ!!


何で、呪いの映画となったのかって?


うーん....多分、テーマにしたモノが悪かったじゃないかな?


て言うのも.......実は、『サンクチュアリ』はとある町に伝わる怪異をテーマとして扱っていて、何でも、当時大人気だったアイドルグループのJAMのメンバーの体験談が元になっているとか。


んで、その話にインスピレーションを受けた大黒清は、『サンクチュアリ』の構想を練り始めたってわけだ。


...........その映画を制作する際に、大黒清は****に訪れていたか?


もちろん!!


当時の大黒清のブログには、****に行った時の写真が載っていたっぽいぞ。


ただ..........あんまり取材は進まなかったって、ブログには書かれてあったな。


その後、例の怪異に関する数少ない情報をベースに、映画のストーリーを完成させ、撮影に移ったんだが...........その時から異変が起こっていたらしい。


当時、撮影に参加していたスタッフ曰く.....一日に一回の感覚で、スタッフがセーラー服を着た女の子を目撃したり、怪異役をしていた女優がしょっちゅう倒れたり...........あとは、定期的に赤い飴と青い飴が撮影現場に置いてあって、気味悪がったスタッフが捨ててたって、言ってたな。


あと、何度もそういうことが起こったからか、スタッフ達の間では、触れてはいけない禁忌を触ったのではないか?っていう空気になってたみたいなんだが、当の大黒清本人は、まるで取り憑かれたように、映画の撮影を続けることにこだわっていて、スタッフが撮影中止の意見を出そうものなら、物凄い剣幕で怒鳴り散らす..........なんてこともあったとか。


そんなこんなで、映画は撮影したみたいなんだが...........さっき言った通り、映画撮影に参加していた人々に不幸が起こったもんだから、結局、一度も上映されることなく、その名の通り、お蔵入りしたってわけだ。


けど、そういう映画って、何とも言えない魅力があるだろ?


だから、『サンクチュアリ』は今現在も幻の映画として、知られているんだ。


もちろん、俺も『サンクチュアリ』のファンだけどな。


叶うことなら、一度でもいいから『サンクチュアリ』を観てみたいんだが..........観たら観たで、呪われそうな気がするなw


とまぁ、これが『サンクチュアリ』っていう映画の概要だ。


だけど...........何でまた、その映画について調べているんだ?


.................は?『サンクチュアリ』のモチーフとなった例の怪異を調べているぅ!?


おいおい!?マジか!!


てか、何でまたそれを調べているんだ?


.........ただ単に興味を持ったから、調べているだけ?


たったそれだけの理由で、その怪異を調べているのか!?


お前......色んな意味で凄いな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る