アノコノハナシ

高校生の場合

俺、一応、体育会系の部活に所属しているんです。

まぁ、体育会系と言っても....地区大会すら突破できない、弱小部ですけどねw

んで..........体育会系の部活って、どういうわけか、山奥の田舎が合宿先として、選ばれることが多いじゃないですか。

うちの部活の合宿先も、そういう感じなんですよ。

............え！？何でその町のことを知っているんですか！？

そうです！！＊＊＊＊って町です！！

僕自身も合宿に行くまでは、その町のことを知らなかったんですよね。

何でも..........部活の顧問の先生の知り合いが、＊＊＊＊って町に暮らしているらしいんです。

しかも、その知り合いが民宿の経営者だったこともあって、必然的に俺らはその町に行くことになったんです。

その民宿は、廃校をそのまま利用したところで..........雰囲気が良さげだったのは覚えてます。

だけど.......その時に、顧問の知り合いが変なことを言ってたんですよね。

確か

「セーラー服の女の子にだけは気をつけろ」

だったはずです。

その時は、何でそんなことを言うんだろうって思ったんですけど...............まさか、そのセーラー服を着た女の子本人に、アノコに遭うなんて、これっぽっちも思っていませんでした。

だって....＊＊＊＊は、ごくごく普通のド田舎だったんですから。

だからなのかは分からないんですけど、僕達は、何故か、その町に親近感を持っていたんですよね。

例えるなら...........祖父母の家に行ったような感覚に陥ったというか、何というか。

とにかく、懐かしい空気を感じていたんです。

それに.......町の人達がとても優しかったのもあって、部員のみんなは、すぐに打ち解けていたんですよ。

なので、すぐにアノコの存在を忘れてしまったんですよね。

その日の夜、僕達はトランプをして遊んでいたんですよね。

..........いわゆる、夜更かしってやつです。

合宿だったんで、余計にテンションが上がっていたんでしょうね。

みんなでワイワイ盛り上がっていた時........どこからか物音がしたんです。

それで、音のした方に使うと..........そこには、セーラー服を着た女の子、アノコがいたんです。

アノコを見た時はどう思ったか？

そう........ですね。

見た目は、どこの学校にもいそうな女の子って感じがしました。

だから、女の子が何でここにいるんだろう？って、空気になったんですよ。

でも..........その瞬間、アノコは突然、頭を窓に叩き付け始めたんです。

何度も何度も何度も何度も.....まるで、俺達にアピールするかのように、頭を叩き続けていたんです。

その光景を見た時は、本気で恐怖を覚えましたね。

だって..........目の前で、女の子が頭をガンガン叩き付けているんですよ！！

恐怖を覚えないわけないじゃないですか！！

それに加えて.......彼女は、アノコは、笑いながら、頭を叩き付けていたんです。

あと、変な歌を歌っていたような..........

その後.............騒ぎを知った先生達が民宿の周りを調べていたら、ある物を見つけたそうです。

.......どんな物だったか？ですか。

何でも、アノコが居たであろう位置に、赤い飴と青い飴があったらしいんですが..........その二つの飴を見た、顧問の知り合いが

「やっぱり、アノコが来たのか.......」

まるで、アノコが来るのを予感していたように、そう言ったんです。

どういうことかと顧問の先生が尋ねたら........その知り合いの人曰く、20年前、その民宿に泊まっていたテレビ関係者が、不可解な死を遂げるという事件が起きたらしいんですけど.....そのテレビ関係者の人は、まるで妊婦のようにお腹が膨らんでいて、そのお腹の中には、あの赤い飴と青い飴がこれでもかと入っていたそうなんです。

それが原因で、例の民宿は心霊スポット扱いされて、当時の経営者が苦労していたと、その知り合いが言っていました。

........そのテレビ関係者は、女だったか？

あ、はい。

俺の聞いた限りだと、20代の女性だったらしいです。

でも、何でそのことを知っているんですか？

...........そのテレビ関係者と一緒に、＊＊＊＊を訪れていた元芸能人に取材したぁ！？

てか、その元芸能人って、JAMの元メンバーの人ですよね！？

..........無理を承知でDMを送ったら、取材することが出来た？

はぇ.................凄いですね。

あ、そういえば.....それ関係の話で思い出したんですけど、昔、アノコをネタにした映画が作られていたらしいです。

ただ..........詳しくはよく分からないんですけど、結局、その映画は公開されず、知る人ぞ知るカルト映画になっているっぽいですよ。