第2話「なんかかわいそうな魔王様」
「また懲りずに転生者を呼ぶんですか?いい加減にしてくださいよ。」
顔が口だけの化け物が言った。まって、こいつ魔王だ。
「もうチートを使う人達を呼ぶのはやめてくださいよ。
そのせいで元の住民たちは全部転生者まかせにしてしまって働きもしないんですよ。
もう転生者15人は食べたんですからね!!」
__確かに。てか今までの人たち食われたの?ちょっと待ってこれは聞いておきたい
「あーすみません僕、食われますか?」
あー突然の質問すぎてちょっと口をしかめてるわ。
「あーごめん。君は何もしてないよね。だけど__ 」
魔王がいいかけたとき、壁が回転して大量の重火器が現れる。
「隙を見せましたね。魔王さん。」
そして、魔王に向けて攻撃が開始される。不意打ちか。酷いもんだ。女神のすることじゃない。
そして10秒くらいたったとき魔王がこちらに向いた。
「すまない…君の体を乗っ取らせてもらおう。」
おい待て。と言おうと思ったがもう遅いようだ。魔王の手から出てきた光が僕に__
の背中に背負っているリュックサックに当たった。そして声が聞こえる。
「ハハハハハハ!!この転生者の体に乗り移ってやった__ 」
その声の主は、僕の唯一の女性からの贈り物のクマのキーホルダーだった。
魔王さん、こんな日だってありますよ。残念。
その時、背負っていたリュックサックの影響か足が滑ってしまい僕は魔王が開けた穴へ落ちていった。
目が覚めた。ここは芝生のようだ。頭を上げる。あたり一面草原だな。
「起きたか!?」
僕の異世界の初めての朝を迎えてくれたのは魔王らしい。それにしてもデフォルメされたクマのからなんか王道っぽい魔王の声が聞こえるのはなんかあれだな。変だ。
だけどそれにしてもさぁ…
「かっわいいなぁwwwwwwwクマのキーホルダーってwwwwwwwwww草生えるどころかここら一帯草原になってらwwwwwwwww」
僕は前の世界でも性格が悪かったな。特に煽りはぶん殴られるようなことしか言ってない。これで怒った魔王に消されてもおかしくないや。
「なぜこんな姿に…なぜよりによってクマなんだ…」
あー確か隣に仮面◯イダーのキーホルダーが吊るされているはず。
っていうか異世界来たっぽいし冒険がしたいんだけど__。終わったよこれ。あの
お急ぎスピーカー女神のせいでなにがなんだか分からねぇ状態になってしまったじゃねぇか。最初はいい景色だと思ってたけど一面草原って意外ときついな。
「ジュルルルル…」
何だこの音は。
「終わったねぇ転生者さん。」
先程の煽りの返しだろうか。だけどね。スライムだろ?こうゆうのって。あんな低級モンスターにやられて終わりなんてありえないんだよ。残念でしt…
「あれは特大サイズだ。」
前言撤回。完全に詰んだ。これ俺魔法使えたりは…しませんよね!!知ってた!!だって僕なんの力も貰わずに来たんですもの!!逃げよう!!
「魔王さん、なんか力使えませんか?」
走りながら聞いた。これが起死回生の一手に…
「無理だ。なぜかキーホルダーに取り憑いてから何もできないんだ。」
頼れないじゃん。
ん〜?考えを巡らせろ。周りに洞窟みたいなものは?__ない。木は?__ない。
街は?__無論ない。どうしようぅぅ…
「__お前走れ過ぎじゃあないか?」
魔王が初めて僕に質問をした。
「へへっ、こっちは週2で八王子からお台場行ってんだよ。すげぇだろ?」
実は僕は自転車に乗ってるだけあって体力ある方なんすよ。
だけどさすがにそろそろ体力切れるが。
「そうだ!!俺を他のところにつけられないか?刃があるものとかだ!!」
もうこれ信じるしかないな。僕は早業でバックの中からハサミを取り出す。
そして魔王をつけた。そしてスライムに斬りかかる。
「okだ。ここから少し一緒に行動することになるやつとしては最高だ。」
そうして振ったハサミから出た閃光でスライムは一瞬にして弾け飛んだ。
すこし異世界は楽しいかもしれない。そう思えた。
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