第67話 夏の思い出🌻5(誕生その1)
「タマ!……準備はいいか?」
「はい!……先輩!」
早速センセは、部屋の中央に置かれた簡易ベッドに2つの物体を並べて置いた。
1つは、人型のアンドロイド。すべてが機械で出来た、むき出しのロボット。
もう1つは、人型の人形。イカとタコの繊維でできた生物体。形は、未定形。
「よし、タマ!アンドロイドに、さっきお前が抜いたバスパのBi回路を接続してみろ!」
「了解しました、先輩!
………みんな、接続が済んだら、
「「「「 了解!! 」」」」
「Bi
「起動電流準備!」
「起動電流準備 よーし!」
「電流回路 接続 通電!」
—――^^^^^^^―――^^^^^^^―――^^^^^^^――
「タマ、次はこれを……」
「先輩、これは何ですか?」
「ん?これが、今回の最大の秘密兵器になるかもしれんな~
…………これはな、知能回路の人格部分の制御装置だ!」
「先輩、これは、どんな働きをするんですか?」
「これはな……まあ……完成したらわかるから、楽しみにしてなさい!」
「じゃあ、これも組み込みます………組み込み完了!」
「さあ、最後の仕上げじゃ………みんな、ちょっと危ないから少し下がって、下がって……」
鎌田センセに言われた通り、みんなは簡易ベッドから離れて壁際に退避した。
「それじゃあ……表層コーティングスイッチ オ~ン!」
簡易ベッドに横たわっている機械でできたアンドロイドが眩い光に包まれ出した。
同時に、隣に置いた人型の人形の表面も発光してきた。
次第にその光の量が激しくなってきたと感じた時、イカとタコで出来た人形が緩やかに隣のアンドロイドの方に動いて行った。
いや、動いたのではなく、表面にまとわりついて行ったと言った方がいい。
みるみるアンドロイドの表面が、イカとタコで覆われて行った。そして、アンドロイドの表面のイカとタコが、だんだんと整形されていったのである。
「うわああああーーーー、本物の人になったあ………」
今までイカとタコだと思っていたものが、素敵な男性のボディーになっていったのである。
「仕上げじゃ……電磁誘導コーティング波 照射!……これで、完璧じゃ……」
機械のアンドロイドとイカタコの培養体が融合して、正真正銘の人型ロボット(アンドロイド)になったのである。
「……あ!そうだ、これ、これ……」
鎌田センセは、壁の格納ボックスから、男性の洋服を取り出し、アンドロイドに渡した。
「どうだい?調子は?……まずは、この服を着てくれるかな?」
≪ありがとうございます……みなさん……素敵なお洋服ですね……これで、また僕もみなさんと一緒にがんばれます≫
流暢な話し方は、今まで目の前で横たわっていたアンドロイドだと思えないくらい、立派なものだった。
「すごいよ!センセ!」
「本当に、さすが先輩だ!私のアンドロイドが、まるで別のものになったようだ!」
「おっちゃん、それにしても、いい男に仕上げたね~」
「……うー、でも、ソージの方がカッコいいもーん!」
「まあまあ、ベルちゃんには
……これはな、ジョンちゃんのためのパートナーじゃよ………いや、相棒と言った方がいいかな?」
「え?え?私の……相棒なの?……嬉しいわ!私もベルちゃんと同じように、守ってもらえるかしら?」
「そうか、喜んでくれるか!………じゃがなあ~わしは、もっと喜んで欲しいと思っているんじゃ~」
ん?センセのあの顔は、まだ何か隠しているぞ。きっと、また変なことをしたんじゃないかなあ~なんだか嫌な予感がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます