第46話 海原の戦慄?🍧1(砂浜の先制攻撃!)
「わーい!海だー!!きれいだね~教頭!!!」
「……ん……」
「天気も良くて、この砂浜、とってもきれいだね……ベルちゃんは、海って来たことあるの?」
「いやー、こっちの世界じゃ、仕事ばっかりで、お休みなんかもらったことないもん」
「よかったじゃない、教頭先生」
「……ああ……」
「なあ、どうした?総司よ、さっきから、浮かない返事ばかりして。せっかくの楽しい海が台無しじゃないかのう~」
心配した鎌田技師が、岸川教頭を覗き込んで尋ねた。
「…………なあ、……その“教頭”っていうの止めないか?……学校じゃないんだから……名前でいいよ……“俺”もカッコつけて僕って言うの止めるからさ……」
「なーんだ!そんな事気にしてたんだ!……いいよ💛総司の好きなように呼んでやるよ!…〈ナレーターも短縮して呼んでもいいよ!…私ご機嫌だから〉」
〈え!本当、じゃ〉ベルは、一段と笑顔が明かるくなった。
これで、ベルは、どこでも名前で呼べることを許されたようなものである。
「えーっと、私は、キシちゃんって呼ぼうかな?」
「好きにすればいいよ、どうせ俺はメグミって、呼び捨てにしてたんだし……」
「わしは、今まで通り、ベルちゃんとメグちゃんだ。それにお前は、やっぱり総司だな!あははは……」
大きな海が、また4人の気持ちを近づけたような感じになったのだった。
「総司、早く “海?” ってやつに、行きたいぞ!」
「じゃあ、まず、着替えないとな!」
「着替え?」
「そうだよベルちゃん……水着を買ったじゃん、ここで着るんだよ、みんな着てるよ……ほら!」
メグが、砂浜を指さすと、そこにはたくさんの人がいた。
男も女も、みんないろいろな水着を着ていた。
色も形も様々で、どれもみんな太陽と砂浜とブルーの海にマッチして、きれいな模様を形作っていた。
「ほら、あそこに更衣室があるよ!……更衣室にはコインロッカーもあるから、大切な荷物を預けておくんだよ……小銭と泳ぐのに必要な物だけ持って、また集合ね!」
メグの指示に従って、みんなは更衣室に消えて行った。
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「キング指令、ほれぼれするような腹筋ですね~」
「そうか~……トール君だって、素晴らしい上腕二頭筋じゃないか!」
「「 あはははは……… 」」
「ところで、ジョン君が遅いな~」
「……あ、来ましたよ………う!!!!」
「ジョン君……君!……すごいな!……トール君、これは大丈夫かな~」
「指令、これは危険ではないかと……」
「…………だ~って、バスパが~……これが~いいって~いうから~……」
ジョンは、砂浜の上に立って、顔を真っ赤にして、今にも泣き出しそうになっていた。
決して、砂浜が熱い訳ではないのであるが……。
「……あ!ジョン。ここに、スカーフが3枚あるんだ。1枚は、パレオにして、後の2枚は、大きくこの肩紐に蝶結びにするんだ!……どうだ、これで何とかなるだろう!」
「おおお、トール、いいものを持っていたな~」
「いや指令、実はこれは、さっきバスパのやつが、使えたら使ってくださいと、置いて行ったんですよ」
「あいつ~~こーなると、わかっていたのねーー、もーーー。ところで、バスパは、どこにいるの?」
ジョンが、またも真っ赤になって怒りながら、バスパの行方を気にした。
「えーっと、あいつなら、次の作戦があるからって、どこかへ行っちゃったけど……」
「もー、今度会ったら、ぜったい、仕返ししてやるからーー………もー怒ったら、お腹すいちゃった、指令、何かおごってくださいよ!」
「あ、あ、……わかった。海の家に何か、食べに行くか……」
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広大なブルーの海。時々、白々とした波が立つ。茶色の砂浜とたくさんの海水浴の人々。
大きなパラソルを広げ、シートに座って女神を待つ2人のおっさん。
遠くから聞こえるかわいい声………
「そーじー!そーじー!」
ベルが、元気に更衣室から走って来た。黒い髪をなびかせて、白い水着が茶色い砂浜にくっきり浮かびあがっている。
「キッシー。おっちゃんー」
メグの水着もグリーンとイエローのグラデーションがくっきりと際立って見える。
健康的で活発な2人の乙女の姿をおじさん達は、だたぼーっと眺めていたのだった。
砂浜で待つ2人にとっては、もうそれだけで100メガトン級のパンチを食らったのとの同じくらいの攻撃力があった。
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